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スイスの下水で4億円相当の金・銀が発見
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スイス連邦水科学技術研究所(EAWAG)は、スイス国内の下水や排水処理施設から、推定43キロの金、時価およそ2億2,500万円相当と、推定3,000キロの銀、時価およそ2億円相当が見つかったと発表した。
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EAWAGはスイス連邦管理局の委託を受け、同国内全土の排水処理施設、64カ所を調査していた。金・銀のほかにも、電子機器などに用いられるレアメタルも発見されたという。
これらの金属片は、時計メーカーの工場や金属精錬所などから下水に流れ込んだと推測される。特に金の量には地域差があり、金精錬所が多いスイス南部では堆積量が多かったという。
EAWAGは、下水汚泥の中の金の濃度が非常に高いことから、これらを回収する価値があるかもしれない、と指摘している。
ところで、スイスの時計といえば世界的に有名である。スイスで生産される時計の95%は輸出用だ。1970年代頃から起こったクオーツ時計への移行の時にちょっとした混乱があり、大打撃を受けたこともあるのだが、その後立て直しに成功し、2013年の総輸出売上高は、218億フラン(約2.5兆円)であったという。なお、データはスイス時計協会の発表に基づく。
また、時計ほど知られてはいないが、実はスイスは金の取引大国でもある。産金国なのかといえばそうではない。スイスの金鉱は1961年に掘り尽くされており、産出する金そのものは、ごく少量の、好事家によって採集されている砂金がある程度である。
だが、CEPII(フランスの経済研究機関)のデータによれば、2012年、スイスの金取引は、単独で世界の15%を占め、世界第1位である。輸入が2,200トン、11兆円超。輸出は1,500トン、9兆円超。
世界トップクラスの金の精製工場のうち4つはスイスにあり、世界の金の約3分の2はこの4社によって精製されている。
かようなわけで、スイスという国では、下水に流れ込む金属片だけで4億円分、というような状況があるわけである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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