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中高年男性へのクレーム対応が「年上部下」への接し方と似ていると思ったこと
ここ最近、何度も続けて飲食店などでクレームを言う人を見かけています。私が見かけるほとんどは、私と同世代周辺と思われる中高年男性です。
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先日はあるカフェで、男性二人が飲み物を買ったものの座る席がなかったらしく、「満席なら販売するな」と苦情を言っています。でもお店の人は常に「店内利用は席を確保してからご注文下さい」といっていますし、持ち帰りの人だっていますから「売るな」などというのはおかしな話です。
また別のある時は、昼食時に席の空き待ちで並んでいたところ、後ろの方に並んでいた一人の男性が、自分が呼ばれたと勘違いしたらしく、「今呼んだじゃないか」「聞こえるように言わないのが悪い」などと文句を言っています。でもこれは本人の単なる聞き違いですから、はっきり言って本人の責任ですし、他人にはどうすることもできません。
こういうときの様子を見ていていつも思うのは、特に男性の場合はいかにも自分の理屈が通っているかのように主張しますが、結局は自分の感情にまかせて理由を後付けしていることが多いということです。理性的な態度を装っていても、しょせんは自分の不機嫌な感情をぶつけて責任転嫁しているだけです。私自身も同世代として、本当に気をつけなければいけないと思います。
ただ、こういうクレームのとき、お店の人の対応によって、火に油となるときとすんなりと収まるときがあり、この「すんなりと収まるとき」を見ていると共通していることがあります。それはまず初めに丁寧にお詫びをして、その後はできることはできる、できないことはできないと、毅然とした態度ではっきり伝えていることです。
始まりはお客側の不愉快な感情からなので、まずはその感情に寄り添って謝罪し、そこから先はあくまで決められた対応に沿って毅然と行動しているのだと思います。もちろんお店側のミスはありますから、それに対してできることはできる、そうでないことははっきりできないと言っています。中にはクレーマーとなって絡む人もいるようですが、私が見てきた中ではそういうことはありませんでした。
逆に火に油となっているときは、このいずれかが欠けているときです。謝罪がない、逆にただひたすら謝るだけ、優柔不断、できないというばかりの門前払いというようなときです。
こういうことは、クレーム対応の知識や経験がある人にとっては当たり前のことなのかもしれませんが、私はなるほどと思いながら見ていました。
こんな中高年男性に対するクレーム対応の様子を見ていて、私がもう一つ思ったことがあります。それは最近ときどき聞く「年上部下」との接し方に悩む「年下上司」からの話との共通点です。
これはある「年下上司」から聞いたことですが、例えば、初めの予定とはちょっと違う、何か予定外のことを指示するなどといったことに対して、常に苦情を言ってきて不機嫌になる「年上部下」がいるそうです。ちょっとしたことで「段取りが悪い」「やり方がおかしい」「見通しが甘い」などと非難されますが、その原因が本人にあることも多いということです。そして、こういう態度の裏に見え隠れするのが「自分の方が経験がある」というプライドからくる感情ではないかということでした。
私もこの「年上部下」と世代が近いので、気持ちはわからなくもないですが、仕事の上での不機嫌で見下したような態度は、相手が誰であっても許されるものではありません。
ここで気づいたのは、「自分に非があったとしても、自分の感情を起点にいかにも理にかなっているかのように振る舞う」というところが、お店でクレームを言う人に似ているということです。
そして、もしそうだとすると、「年上部下」への接し方もクレーム対応のときと同じように、「感情には寄り添って、あとは是々非々で対処する」のが好ましいということになります。
実はこの「年下上司」は、何かあると必ず「年上部下」に相談という形で話を聞くことをして、それを参考にはするものの、判断は自分が毅然としておこない、あとからの苦情には理由の説明以外は取り合わないことにしたそうです。そうすると、この「年上部下」はだんだん前向きに協力してくれるようになり、お互いの関係がずいぶん良くなっていったそうです。
あくまで一つの例かもしれませんが、私を含めた中高年男性の扱い方と言うことでは、意外に共通点があるように思います。
それはともかく、私はあまり周りには不満や苦情を言わない人でいたいと思います。
※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら。
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