NYの視点:ユーロ圏、新たな段階へ

2017年10月10日 07:43

印刷

記事提供元:フィスコ


*07:43JST NYの視点:ユーロ圏、新たな段階へ
ショイブレ財務相は8年間務めた財務相のポストを退き、今月末に連邦議会(下院)議長に就任する。さらに、2013年よりユーログループ議長を務めてきたオランダのダイセルブルーム財務相も来年1月に任期満了となる。これに伴い、ユーログループの焦点も危機の「管理」から「阻止」に本格的に移行しつつある。財務相会合でもユーロ圏が将来の金融ショックに持ちこたえられるようどのように経済やシステムをより強くしていくかが課題となっていく。

ドイツのショイブレ財務相は同氏にとり最後となるユーロ圏財務相会合で、ユーロ危機の際、懐疑的見方も浮上するなか、「我々はユーロの安定を保ち成功した」と勝利宣言した。今後の政策で、主要な変更はほとんど予想されていないものの、ユーログループは19年間の歴史上もっとも重要な局面に差し掛かったと指摘されている。

19のユーロ圏経済は10年ぶりの強い成長を回復する軌道上にある。域内の消費者や企業の信頼感も金融危機前の高水準を回復。経済情勢は過去5年間で最高となっており、これからのユーログループでの協議は過去5年間と違い、より欧州の長期的な展望をにらんだものになると見られている。欧州中央銀行(ECB)のラウテンシュレーガー理事は、中央銀行ができるだけ速やかに量的緩和の出口戦略を実施すべきだとの見解を示している。
ユーロはカタルーニャの独立問題を抱えたスペインの政局不安などが売り材料となるものの、中期的には下落相場が一段落しそうな様相を示している。《CS》

関連記事