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NYの視点:円売り持ち減、今週の注目: ECB定例理事会、米ベージュブック、債務上限問題、税制改革
*08:03JST NYの視点:円売り持ち減、今週の注目: ECB定例理事会、米ベージュブック、債務上限問題、税制改革
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前々週から減少、2か月ぶりの低水準となった。ユーロの買い持ちは前々週から減少したものの2007年5月来の高水準を維持。市場が買い持ちに傾いているため、ユーロは下げやすい環境となっている。
今週は税制改革、債務上限問題の行方を引き続き睨んだ展開となる。議会も再開される。まず、9月30日以降の暫定予算案を通過させ、デフォルトを回避する必要がある。トランプ大統領は、ハリケーン「ハービー」に絡むコストを予算に含むよう要請。米大統領はまた、2日に再びハービー被災地、テキサス、ルイジアナ州を訪問する予定となっている。さらに、年内の税制改革案成立に向けて本格的に始動する。税制改革を指揮している国家経済会議(NEC)のコーン委員長、ムニューシン米財務長官は、年内の実施を100%公約した。
金融政策では米連邦準備制度理事会(FRB)が公表するベージュフック(地区連銀経済報告)に注目。結果は次回9月19−20日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる。FRBは9月のFOMCで、政策金利を現状で据え置き、バランスシートの縮小計画を発表すると見られている。ベージュブックで経済が引き続き強まっていることが確認されると、バランスシートの縮小開始をより確実にする。その他、FRB高官らの講演内容にも注目が集まる。最新の8月雇用統計は雇用や賃金の伸びが予想を下回る結果となった。しかし、過去6年間8月は雇用統計が予想を下振れる傾向が続いていることを考えると、弱い雇用統計は一時的な現象ととれる。また、非農業部門の雇用者数の3カ月平均は、+18.5万人。年初来平均も+17.6万人と、利上げ軌道を修正するほどではない。
欧州中央銀行(ECB)の定例理事会に特に注目が集まる。最近のインフレや経済の向上で、ECBが今回の会合で量的緩和(QE)縮小計画を発表するとの見方を強め市場はユーロ買いを強めた。対ドルでは、2年半ぶりの高値を更新。心理的節目となる1.2ドルも達成した。ECBのメンバーの中には、ユーロ高を誇張するべきではないとの考えもあるようだ。ただ、ここにきて、ECBはまだテーパリング計画発表の準備が整っていないとの関係者の発言もでてきた。ユーロの下落余地も広がったと考えられる。
■今週の主な注目イベント
●米国
2日:トランプ米大統領、ルイジアナ、テキサス訪問
4日:レーバーデー祭日
5日:米議会再開、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が経済や金融政
策見通しに関して講演、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁がタウンホールイベン
トに参加、カプラン米ダラス連銀総裁が講演、7月耐久財受注:予想前月比+1.0%
(6月‐6.8%)
6日:連邦準備制度理事会(FRB)がベージュブックを公表、7月貿易収支:予想‐446
億ドル(6月‐436億ドル)、8月ISM非製造業景況指数:予想55.4(7月53.9)
7日:メスター・クリーブランド連銀総裁、ダドリーNY連銀総裁が経済、金融政策見
通しに関して講演、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁が経済見通しに関し
て講演、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が講演、4−6月期非農業部門労働生
産性確定値:予想前期比+1.2%(1−3月期+0.9%)、単位労働費用:予想+0.4%
(+0.6%)
●欧州
7日:定例理事会、ドラギECB総裁会見
●地政学的リスク
北朝鮮
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》
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