「ダリの挿絵版画」展 - 叙事詩”神曲”やオペラ”カルメン”の世界をダリが描く

2017年8月3日 20:08

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記事提供元:ファッションプレス

 テーマ展「ダリの挿絵版画」〜絵を読む、物語を見る。が福島県諸橋近代美術館にて2017年9月11日(月)から11月30日(木)まで開催される。

 今回の展示は、名作文学の世界をサルバトール・ダリが表現した挿絵コレクションを紹介するものだ。シュルレアリスムを代表する芸術家であり、昨年に開催された「ダリ展」でも人気を博したダリの新たの一面を発見できそうなイベントだ。

 ダンテの叙事詩”神曲”、ミゲル・デ・セルバンテの”ドン・キホーテ”、ビゼーのオペラ”カルメン”など、文芸史における金字塔と言える作品群をダリがどのように解釈したのかを垣間見ることが出来る。

 ‘‘ドン・キホーテ”の挿絵は、ダリの特徴的な表現技法「銃弾主義」が端的に表れた作品と言える。火縄銃に装填されたインクの弾丸を石板の上で炸裂させるという衝撃的な描画方法は、風車を巨人と勘違いし向かっていくマッドなドン・キホーテを表現するのにぴったりだったかもしれない。

 地獄、煉獄、天国といった世界を描いたダンテの”神曲”。ダリ以前にもボッティチェリやミケランジェロ、ロダンといった名だたる芸術家によって表現されてきた当作品ではあるが、ダリが描いた挿絵は他の芸術家の作品と比べ、地獄をいかに描写するかの点で決定的に異なっているといえる。

 「ダンテの地獄は地中海の太陽と蜜とで明るく輝きわたってい る」とダリ本人が記しているように、挿絵にみられる地獄の世界は、それまで描かれたどの芸術家による作品よりも明るく描かれている。

 また、本展と同時に「コレクション展 シュルレアリスムとダリ」も開催。ダリの超現実的な世界に存分に浸ってみてはいかがだろうか。

【詳細】
テーマ展「ダリの挿絵版画」〜絵を読む、物語を見る。
開催期間:2017年9月11日(月)~11月30日(木)
開館時間:9:30~17:30
※入館は閉館30分前まで。11月は17:00閉館。
会場:諸橋近代美術館
住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ケ峯1093‐23
観覧料:一般 950円、高校・大学生500円、中学生以下無料
※20名以上の団体50円引き
※教育施設対象の観覧料免除制度あり(事前申込必須)

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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