【株式評論家の視点】ANAPは、高値圏で頑強な動き、「ANAPオンラインショップ」が拡大

2017年7月10日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ANAP<3189>(JQS)は、2013年11月19日に東京証券取引所JASDAQ市場スタンダードに上場。カジュアル衣料の輸入、販売、及び、卸売を行っている。1992年に現取締役会長の中島篤三が「株式会社エイ・エヌアートプランニング」を設立。2006年に個性的でリーズナブルなリアルクロージング(普段使いの衣料品)を展開する「ANAP」を展開する「エイ・エヌアートプランニング」と、「ANAP」の一員として独自のアパレルブランドを並行展開する「ヤタカ・インコーポレーテッド」が、互いのリソースを融合・発展させることを目的に、「株式会社アナップヤタカインコーポレーテッド」として合併。その翌年、社名をブランド名と同じ「株式会社ANAP」に変更し、新たにスタート。原宿、渋谷など首都圏を起点に店舗展開を進め、現在では、全国の主要都市で約50店舗を出店。また、02年に開設した自社ブランド販売サイト「ANAPオンラインショップ」は、業界トップクラスのインターネット販売比率を誇っているが、13年にスタートトゥデイが運営するアパレル専門ネット通販「ZOZOTOWN」への出店とインターネット販売事業が拡大している。

 同社は、「常にお客様目線を大切にし、おしゃれを楽しみたい女性のニーズに応えるため、欲しいものが手頃な価格でいつでも手に入る、ファッションを『オンタイム』で楽しめる『現在(今)』を提案します」を経営理念として、「ブランド力・ブランド認知度、オンラインショッピングサイトの販売力、魅力ある店舗づくり」の更なる強化により、売上高営業利益率の向上を目指して、経営に取り組んでいる。中長期的な会社の経営戦略として、16年4月から始めた「再生プロジェクト(販売オペレーション再構築)」を強化し、販売に注力している。不採算な仕入を抑制し、売れる商品のブランドにランクを付けて、消費者のニーズに合う商品を、適切な数量・価格・タイミング等で提供するため、機会ロスを無くすMD(マーチャンダイジング)の経営戦略へと方向を転換し、経営の合理化を図っている。

 今18年8月期第2四半期業績実績は、売上高32億2800万円(前年同期比7.4%減)、営業損益は3500万円の赤字(同1億8800万円の赤字)、経常損益3500万円の赤字(同1億8700万円の赤字)、最終損益5700万円の赤字(同6900万円の赤字)と赤字縮小した。天候不順等の影響により、売上高はやや下回ったものの、店舗リストラクチャリングに基づく不採算店舗の退店効果が本格的に寄与したほか、店舗経費が圧縮が奏功し、全体の進捗としては、想定内で推移している。

 今2018年8月期業績予想は、売上高70億9500万円(前期比0.2%増)、営業損益1億0200万円の黒字(同6000万円の赤字)、経常損益9500万円の黒字(同6800万円の赤字)、最終損益5500万円の黒字(同2200万円の赤字)と黒字転換を見込む。

 株価は、女子小学生向けファッション雑誌ニコ☆プチ(新潮社発行)で人気の6ブランドとコラボレーションしたファッションアクセサリーがセットになった、日本マクドナルド株式会社の「ハッピーセット」に、同社ジュニア向けブランド「ANAP GiRL」が参加と、「ANAPオンラインショップ」においてアメリカ・ロサンゼルス発のプレミアムカジュアルブランド『GUESS』の取り扱い開始を手掛かり材料に、7月4日に年初来高値834円と買われている。第3四半期以降となる春夏は同社商品の需要が活況となることから、通期業績予想の達成に対する期待が高まるほか、中長期ではインターネット販売事業の更なる拡大が見込まれる。短期的には5日移動平均線が下値支持線として意識される形で高値圏で頑強な動きとなっており、一段と騰勢を強める可能性もありそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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