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【中国】本土・香港間の債券相互取引スタート、元建て債に8000億米ドル流入へ
*22:51JST 【中国】本土・香港間の債券相互取引スタート、元建て債に8000億米ドル流入へ
中国人民銀行(中央銀行)と香港金融管理局(HKMA)は2日、本土・香港間の債券相互取引スキーム「債券通」を3日付で解禁すると発表した。まずは、海外の機関投資家に対し、香港から本土債券への投資を認める「北上ルート」の投資を認める。1日当たりの売買上限は設定しない。一方、本土から香港債券に投資する「南下ルート」に関しては将来的に実施する方針で、具体的なスタートの日程は明らかにしていない。
人民銀とHKMAは5月16日、「債券通」の解禁方針を正式に発表。6月末の時点で、「早ければ7月3日スタート」との観測が流れていた。7月1日は香港返還20周年に当たるため、「中国から香港への“プレゼント”のひとつ」などと報じられている。
銀行関係者の間では、「債券通」のスタートによって香港の「国際金融センター」としての地位がさらに高まると歓迎ムードが広がっている状況だ。また、中国の債券が国際的な指数に組み入れられるのを後押しし、債券市場の国際化にもつながると指摘されている。ドイツ銀行のアナリストは、今後5年間で人民元建て債券市場に8000億米ドル(約89兆円)の資金が流入すると試算。うち6割の買い手は各国の中央銀行や政府系ファンド(SWF)で、残り4割が機関投資家と予測している。
本土債券市場の規模は65兆人民元(約1060兆円)近くに達し、米国、日本に次ぐ世界3位の規模を誇るが、海外投資家の参加比率は依然として低い。今年3月の時点で、海外の金融機関が保有するオンショア人民元建て債券の規模は8301億人民元と、市場全体のわずか1.2%にとどまっている。
本土と香港は現在、証券市場の相互接続を拡大中。中国資本市場の国際化を進めると同時に、それぞれの市場に新たな投資家を呼び込む狙いがある。2014年11月に上海・香港間の株式相互取引が解禁された後、16年12月には深セン・香港間の株式相互取引もスタート。このほか、新規株式公開(IPO)の相互接続「新股通」が計画されている。
【亜州IR】《CS》
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