NYの視点:米6月FOMC議事録、12月利上げの可能性を確認、インフレ率低下も

2017年7月6日 07:39

印刷

記事提供元:フィスコ


*07:39JST NYの視点:米6月FOMC議事録、12月利上げの可能性を確認、インフレ率低下も
米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月13-14日分) を公表した。FOMCはこの会合で3月に続き政策金利を0.25%引き上げた。同時に、経済が予想通りに展開した場合、年内にバランスシート縮小を開始する計画を発表。

四半期ごとに発表されるスタッフ予測でもメンバーが依然年あと1回の利上げを予想していることが明らかになった。強弱混合の経済指標やインフレ率が再び低下に転じたため、市場は追加利上げには懐疑的だった。今回の議事録では、特にインフレの見通しやバランスシート縮小の時期に関する判断に注目が集まった。
議事録によるとインフレに関し、多くのメンバーが、物価の低下を「特別要因」と判断したことが明らかになった。これは、FRBのイエレン議長が会合後の会見でインフレの低下が「一時的要因が影響」とした見解と一致。短期的なインフレは中期目標である2%割れを予想しているものの、ほとんどのメンバーはインフレが2019年に目標値2%に戻すと見ていることが明らかになった。ただ、一部メンバーが「低インフレは将来の利上げ軌道に影響を与える」と懸念を表明した一方、1,2人のメンバーは失業率の低下がインフレリスクを生む可能性を指摘するなど、一部見解の相違も明らかになった。

保有している資産の縮小の時期に関してメンバーの意見が分かれたことも明らかになった。数人のメンバーは、今後1,2ヶ月内に、バランスシート縮小の発表をすべきだと主張した一方で、ほかのメンバーは年の遅い時期に先送りを主張した。
結局、インフレの低下が利上げ軌道を修正するような内容ではなく、経済活動が今後も緩やかな成長を続け、労働市場の状況も一段と拡大すると予想、引き続き段階的な利上げを支持する内容となった。米国の金利先物市場での12月の利上げ確率は55%前後から58%までじり高に推移した。

*インフレ
「多くのメンバーは、物価の低下を特別要因と判断」
「1,2人のメンバー、失業率の低下によるインフレリスクを指摘」
「短期的なインフレは2%割れ」
「数メンバーは低インフレは、将来の利上げ軌道に影響を与えると指摘」
「インフレは長期的に目標水準に戻る」

*バランスシート
「メンバーはB/S縮小開始の時期に関して意見が相違」
「数人のメンバー、今後1,2ヶ月で、バランスシート縮小の発表を支持」
「ほかのメンバーは年の遅い時期に先送りを主張、バランスシートの縮小」《CS》

関連記事