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仮想通貨関連をはじめ開設以来2年間寄せられたのFinTechサポートデスク「Q&A」を公表
*18:15JST 仮想通貨関連をはじめ開設以来2年間寄せられたのFinTechサポートデスク「Q&A」を公表
金融庁は、「平成27事務年度金融行政方針」を踏まえ、FinTechを活用した動きが広がりつつあることに着目した新たな取組みとして、平成27年12月、FinTechに関する一元的な相談・情報交換窓口「FinTechサポートデスク」を設置した。
「FinTechサポートデスク」は、FinTechをはじめとしたさまざまなイノベーションを伴う事業を営む、または新たな事業を検討中の方から、具体的な事業・事業計画等に関連する事項をはじめとしたさまざまな点について、幅広く金融面等に関する相談を受け付けている。
また、併せて、FinTechをはじめとしたさまざまなイノベーションを伴う事業に関連する一般的な意見や要望、提案などを聞き、積極的な情報交換・意見交換等を行っている。
□受付方法
総務企画局政策課FinTechサポートデスク担当宛に電話する。
受付時間:平日9時30分~18時15分
電話番号:03-3506-7080
必要に応じて、事業概要に関する資料の提出等を求める場合があること。相談の内容に応じて、より適当と思われる他機関の窓口を紹介する可能性があること。
FinTechサポートデスクが、開設以来受け付けた相談のうち、共通して寄せられた質問事項及び回答内容の概要(FAQ)は以下のとおりである。
□規制一般、登録・届出に係る手続について
Q:FinTechに関する新規事業を検討中だが、どのような規制が存在しているのか。事業を開始するに際しては金融庁・財務局に登録・届出をする必要があると聞いたが、どうすればよいか。
A:FinTechには多種多様なビジネスがありえるところ、銀行法、金融商品取引法、資金決済法等の法令との関係でどのような規制にかかるかは、個別具体的な事業内容に応じて判断される。事業の内容によっては、金融関連法令上の規制がかからず、登録・届出が不要な場合もある。そのため、まずは検討されている事業内容について相談するようにしたほうがいい。アイディア段階での相談も受け付けている。
Q:FinTechビジネスを開始するにあたって金融業の新規登録申請・届出が必要となる場合、窓口はどこになるのか。また、手続の流れはどういったものか。
A:金融庁では、行政の透明性・効率性の確保等の観点から、新規登録申請の審査等に係る一般的な流れ(イメージ)及び相談・申請窓口の一覧等を公表している。詳細については、下記リンクを。
○金融行政方針で掲げた「金融行政の再点検」に係る具体的な取組み
・新規登録申請の審査等に係る一般的な流れ(イメージ)
・新規登録申請等に関する相談・申請窓口一覧
□仮想通貨関連
Q:仮想通貨に関するビジネスを始めたいと考えているが、規制の内容や、事業開始にあたり法令上必要な手続について教えて欲しい。
A:平成29年4月から施行された改正資金決済法では、
(1) 仮想通貨と法定通貨との交換又は仮想通貨同士の交換を行う業務
(2) (1)の業務の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務
(3) (1)、(2)の業務に際して利用者の金銭・仮想通貨の管理を行う業務
は、「仮想通貨交換業務」に当てはまるため、当該業務を行う事業者は登録が必要です。
登録業者には、利用者保護やマネー・ローンダリング対策の観点から、例えば、以下のような規制が課せられます。
・仮想通貨は、(ア)法定通貨ではない、(イ)法定通貨に基礎付けられておらず、価値が購入対価を下回るおそれがある、(ウ)その価値が保証されていない、等の利用者への説明・情報提供義務
・システムに係る安全管理体制の構築義務
・利用者から預託を受けた金銭や仮想通貨と、自己が保有する財産とを分別管理し、その状況について、公認会計士又は監査法人による外部監査を受ける義務
・取引時確認、記録の作成・保存、疑わしい取引の当局への届出等、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく義務
なお、どのような場合に法令上の仮想通貨に該当するかについては、改正資金決済法第2条第5項に則して、個別具体的に判断されることになる。詳細については下記リンクを参照。
○事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関連)「16 仮想通貨交換業者」
□ロボアドバイザー関連
Q:投資関連のロボアドバイザーサービスの提供をする場合、金融関係法令上、どのような手続が必要になるか。
A:一口にロボアドバイザーという場合にもさまざまなタイプがあり、具体的に提供されるサービスの内容に応じて、金融商品取引法に基づく登録の要否、及び、登録が必要な場合のその登録内容は異なる。そのため、詳細はFinTechサポートデスクまで問い合わせを。
なお、たとえば、各種質問(例.リスク選好)に対する顧客の回答内容を踏まえ、当該顧客に適した「(一般的な)資産クラス別の資産ポートフォリオ(構成割合)」や「個別の有価証券・金融商品」の提示を行う場合
・潜在顧客を含めた顧客へのサービスの一環として報酬を得ずに行うもので、当該提示に関する契約の締結はなし⇒金融商品取引法に基づく登録は不要。
・顧客から報酬を得て行うもので、個別の有価証券・金融商品の提示に関する契約の締結がある⇒金融商品取引法上の投資助言行為に該当するため、投資助言業の登録が必要。
□電子マネー・ポイント関連
Q:プリペイド型の電子マネー・ポイントなどに関するビジネスを始めたいと考えているが、金融関係法令上どのような手続が必要か。
A:資金決済法において、前払式支払手段とは、あらかじめ「対価を得て」発行される「証票等又は番号、記号その他の符号」(コンピュータ・サーバ等にその価値が記録されるものも含む)であって、その発行者等からの「物品の購入・借受け、役務の提供に対する代価の弁済」に利用できるものを指す。あらかじめ対価を得ることで発行される電子マネー・ポイントなどは、この前払式支払手段に該当する。
前払式支払手段には、(1)発行者自身から物品・サービスの購入等を行う場合に限り使用可能なもの(自家型)と(2)それ以外の前払式支払手段(第三者型)の分類があり、
・(1)の自家型前払式支払手段の発行者については、当該前払式支払手段の未使用残高の総額が基準日(毎年3月31日及び9月30日)において1000万円を超えた場合、その基準日から2カ月以内に財務局への届出が必要
・(2)の第三者型前払式支払手段の発行者については、あらかじめ財務局への登録が必要。
他方、いずれの場合でも、使用期限が6月内の前払式支払手段を発行する場合には、前払式支払手段に係る規制は適用されず、上記の届出は・登録は不要。
□クラウドファンディング関連
Q:インターネットで出資の勧誘を行うためのクラウドファンディングのプラットフォームを提供したいと考えているが、金融関連法令上どのような手続が必要か。
A:一般的に、クラウドファンディングには、寄附型、購入型、投資型の3類型がある。
このうち、寄附型・購入型のクラウドファンディングなどのように、寄附を募るため若しくは商品・サービスの対価の支払いを受けるために行われるもの、又は、出資に基づく権利が自らの出資額を超えるリターンを受けないことを内容とするものである場合には、登録や届出は不要である。
他方で、投資型のクラウドファンディングの場合には、投資家からの出資の方法に応じて、金融商品取引法上の登録や届出が必要である。
詳細については、下記のリンクを。
○ファンド関連ビジネスを行う方へ(登録・届出業務について)
【ニュース提供・エムトレ】《FA》
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