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「有給休暇は取得しづらい」6割が実感
政府は「働き方改革」の一環として、2018年度に有給休暇の取得を本年度よりも3日増やす目標を掲げることで調整を進めている[写真拡大]
政府が掲げる「働き方改革」によって長時間労働の抑制や在宅勤務の導入、休暇の取得など、従業員の待遇改善に注目が高まっている。政府は2018年度の年次有給休暇の取得を、今年度よりも3日増やすという目標を掲げる方向で調整している。一方でYahoo!が行なった意識調査によると、6割の人が「有給休暇が取得しづらい」と実感していて、まだまだ有給が取りやすい環境が整っているとは言いづらい現状が浮き彫りとなった。
調査はYahoo!ニュース内で実施され、6月6日~6月16日の期間で9万7千人が回答。有給休暇を「取得しやすい」と回答した人は33.4%、「取得しづらい」と回答した人は59.4%、「わからない/どちらとも言えない」と回答した人は7.2%だった。
「制限はあるけど世間の基準から見れば取りやすい」「昔は取りづらかったけど、今は自由に採れるようになった」という意見が寄せられた。「組織の長として皆が取得しやすいように率先して取得している」「取得するようルールが定められている」という意見もあり、昨今の情勢から会社の制度や個人の考え方が変わってきたと考えられる。
一方で「休むとその分仕事が溜まる」「有給を消化すると周囲から顰蹙を買う」「上司からの評価に悪影響が出る」という意見が大多数で、まだまだ有給休暇が取得しやすい環境が整っていない職場の方が多いと感じさせられる。有給休暇を考慮した仕事の割り振りになっていないという構造上の理由の他に、有給休暇が取りにくい雰囲気という職場環境が有給休暇を取得促進に歯止めをかけている。
中には「有給休暇を申請しても却下される」「そもそも有給休暇という制度が存在しない」「有給休暇を取得すると出世や昇給が不利になる制度になっている」など、正当な権利の行使を阻害する職場の現状を訴えるコメントも。
有給休暇の取得のしやすさは企業の制度改革はもちろん、職場の雰囲気なども大きく左右する。皆が当然のように休めば、有給休暇を取得しやすい職場になるはずだ。本当に18年度、有給休暇を3日増やすことができるのか。それによって職場の制度や個人の考え方がどう変わるのか、注目したい。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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