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三菱UFJフィナンシャル・グループが傘下の三菱UFJ信託銀行の法人貸出業務を三菱東京UFJ銀行に移管すると発表。独立系の信託銀行である三井住友信託銀行が法人融資部門をどのように取り扱うのか、今後注目が集まることになりそうだ。[写真拡大]
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が傘下の三菱UFJ信託銀行の法人融資業務を、三菱東京UFJ銀行に移管すると発表。時期は来年、2018年4月を目処としている。
信託制度を利用し顧客の資産運用業務を手掛けてきた信託銀行であるが、一方で銀行業務として通常の法人融資も手掛けており、信託銀行は日本独自のビジネスモデルとして発展の歴史的経緯を有している。数多く存在していた信託銀行も金融再編の結果、三菱UFJ信託銀行及びみずほ信託銀行はそれぞれのグループ傘下の企業となり、現在は三井住友信託銀行のみが独立系の企業となっている。
00年代初頭の金融危機も乗り越えてきた三菱UFJ信託銀行であるが、日銀のマイナス金利導入の影響により、法人融資部門の採算が厳しくなりつつある。また三菱UFJフィナンシャル・グループ内にメガバンクの三菱東京UFJ銀行が存在の中、三菱UFJ信託銀行の法人融資部門については過去よりその位置付けが議論の的となってきた。
三菱UFJ信託銀行は法人融資業務を三菱東京UFJ銀行に移管することにより、顧客の資産運用業務に特化することとなる。今後、三菱UFJ信託銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループにおいて、不動産・年金・証券代行・相続業務等に軸足を置いた「信託型コンサルティング&ソリューションビジネス」を展開予定としている。またそれに伴い、投資信託会社の三菱UFJ国際投信の株式を三菱UFJ証券HDと三菱東京UFJ銀行から譲り受け、完全子会社化。資産運用会社としての方向に一気に舵を切る。
みずほグループのみずほ信託銀行は既に資産運用業務にシフトしており、今回三菱UFJ信託銀行も同様の路線を歩むこととなる。日本独自のビジネスモデルとして発展の信託銀行は、歴史的な転換点を迎えたと言える。
現在、金融グループとしては独立した形を取っている三井住友信託銀行を傘下に持つ三井住友トラストHD<8309>が、今後法人融資部門をどのように取り扱うのか。三井住友信託銀行の経営判断に注目が集まることになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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