地盤の微動を探査し地震時リスク測るサービス「微動探査」、4月下旬開始

2017年4月10日 18:34

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熊本地震に際して行われた、被災地での実地テストの様子。(写真:地盤ネットホールディングス発表資料より)

熊本地震に際して行われた、被災地での実地テストの様子。(写真:地盤ネットホールディングス発表資料より)[写真拡大]

 地盤ネットホールディングスは10日、地盤の恒常的な微小震動(微動)を探査し、その場所で地震が起こった際の揺れやすさ、建物の耐震性などの評価を行う、「微動探査」のサービスを、4月下旬から開始すると発表した。

 さて。筆者も知らなかったが、大地、地面、地盤というものは、常に微妙に揺れているものであるらしい(もちろん、生身の人間の知覚で感知できるようなものではない)。ユーラシア大陸が年に2センチメートルくらいのペースで移動しているというのだから(いわゆる大陸移動説、今はプレートテクトニクス理論という)、当然といえば当然なのかもしれないが。

 微動はもちろん、地球表面のどの場所でも一定なわけではない。場所によって、揺れ方も違えば、揺れの大きさの幅も違う。地盤の揺れやすさそのものが違うからだ。そのようなわけで、微動を調べれば、その地盤の揺れやすさを調べることができる、というわけなのである。

 どうやって測るのかというと、測定器をその場に置くだけでいいという。地表でなくとも、コンクリートの土間や、タイル貼面などでも問題はないそうだ。ボーリングなどの掘削を行うわけではない、つまり、非破壊探査の一種である。

 また、騒音、振動、排気などは一切出ない。近所迷惑になるという心配は無用である。さらに、時間もさほどかからない。一か所測定するのに必要な時間は、だいたい20分前後であるという。

 地盤ネットホールディングス社の微動探査サービスを利用すると何が分かるか。主には4つである。まず、「平均S波速度」、地震による地盤の揺れやすさの増幅値。次に、「表層地盤増幅率」、地震の揺れがどのくらい増幅されるかの値。3つ目は、「地盤の固有周期」、その場所においてどのような性質の建物が揺れやすいか、だ。そして4つ目は、「S波速度による地下構造」、これはオプション扱いになるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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