目標は高速逆走事故ゼロ 公募技術の実証実験開始へ

2017年3月26日 06:21

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プレッシャーウォールと名付けられたアイデア。逆走側からのみこう見える。(画像:NEXCO発表資料より)

プレッシャーウォールと名付けられたアイデア。逆走側からのみこう見える。(画像:NEXCO発表資料より)[写真拡大]

  • 順走側からはこのようにしか見えない。なお、プレッシャーウォールはJFE建材社のアイデアである。(画像:NEXCO発表資料より)

 西日本高速道路(NEXCO)、東日本高速道路、中日本高速道路の3社は、国土交通省が目標に掲げる「2020年までの高速道路逆走事故ゼロ」を達成するべく、昨年11月から今年2月まで、民間企業などから逆走を防止するための技術に関する公募を行っていた。その結果が公表され、今後、選定されたいくつかのアイデアは、実道などでの実証実験が行われることになる。

 実証実験は、この4月から、おおむね1年程度の期間を費やして行っていく予定であるとのこと。

 まず、公募の内容であるが、テーマが3つ用意されていた。テーマ1は、表示板などのアラートを用いた、道路側での逆走車両への注意喚起。テーマ2は、センサーなどを活用し、道路側で逆走を発見しその情報を収集する技術。そしてテーマ3は、カーナビなど車載機器による逆走車両への注意喚起。

 実証実験に回される選定アイデアは計28種に及ぶので、すべてをここで解説することはできないが、参考程度に各テーマ1つずつご紹介する。

 まずテーマ1に関するもので、ダイクレ社のアイデア「路面埋込型ブレード」。順走時にはただの平坦な状態だが、その上を走ると突起が飛び出し、軽度のショックを車に与え、逆走に気付かせる、というものである。

 次にテーマ2に関するもの。コンピューターシステム研究所というところのアイデアは、「3Dステレオカメラを活用した画像解析技術による逆走検知」。2眼のステレオカメラで道路上の車を視認し、3Dモデリング処理、車両の移動方向を認識させ、逆走車両を発見する、というもの。

 最後にテーマ3のアイデア。沖電気工業の発案で、「ETC2.0車載器による蓄積型逆走情報提供」。ETCを利用し、逆走車両のみに対して警告情報を配信し、車載機によって走行方向を判定、逆走時に警告を発するものだそうである。

 なんであれ、世の為人の為逆走事故などは減ってくれるに越したことはない。研究の順調な進展を祈りたい。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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