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C型肝炎の偽造薬流通を受け、 厚労省が監視指導体制を強化
C型肝炎の治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が発見されたことを受け、厚生労働省は、医薬品の適切な流通を確保するための注意喚起を日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会などに対して行なった。また、都道府県による監視指導の体制も強化される[写真拡大]
C型肝炎の治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が発見されたことを受け、厚生労働省は、医薬品の適切な流通を確保するための注意喚起を行なった。また、監視指導の体制も強化される。
先般、C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が流通し、患者の手に渡る事案が発生した。厚生労働省はこの件を受けてすでに何度も注意喚起を行なっているが、医薬品の卸売販売業者や薬局などに対し、2月16日付で改めて留意事項を通知した。主な内容は以下の通りだ。
・譲渡人の氏名(卸売販売業者などの名称)などを確認する際には、納品者の身分証明書などの提示を求めて本人確認を行なうこと。併せて、販売業などの許可番号や、連絡先などの情報を確認し、記録すること
・医薬品が本来の容器や包装に収められているかどうか(未開封かつ添付文書が同梱されているなど)を確認するとともに、管理状況に疑念がある場合は、仕入れの経緯などを確認して注意すること
・薬剤師は、医薬品を調剤する際に容器・包装などの状態を確認した上で、異常があった場合は使用せず、管理責任者に報告するなどの適切な対応をすること
厚生労働省は以上の通知を、日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会などに対して行なった。また、都道府県や保健所を設置している市に対して、監視指導の強化を要請した。これを受けて日本保険薬局協会は、17日に「医薬品を適正な流通の確保を通して提供する」旨の宣言を行なった。「会に属する薬局において、すべての医薬品の流通経路を自主点検する」としている。
偽造ハーボニー配合錠の流通経路は、奈良県、東京都などの調査によってほぼ解明されている。また、患者が実際に服用して被害が出た、との事例も発生していない。ただし正規の代理店ではない4社以上の卸売販売業者が関わったことが判明しており、厚生労働省と医薬品業界が、改めて再発の防止を徹底した形だ。
なお、偽造薬の成分は、分析の結果「複数のビタミン類を含有する錠剤」や「鼻炎・感冒などの時に服用する漢方薬」などだった。また、ハーボニー配合錠そのものと見られる錠剤や、別の肝炎治療薬との混在も認められた。肝炎などの重篤な病気は、間違った医薬品の服用はもちろん、成分量の微妙な違いなどによっても症状が悪化することがある。命にも関わる事態だけに、今後の監視徹底が必要だ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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