銀行114行、16年9月中間単独決算の預貸率は67.34%、11年以降で最大の落ち込み

2017年2月10日 09:24

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記事提供元:エコノミックニュース

2016年2月16日に日本銀行が戦後初のマイナス金利を導入してから1年を迎える

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2016年2月16日に日本銀行が戦後初のマイナス金利を導入してから1年を迎える。企業の資金需要が低迷する中で金融機関の金利競争は激しさを増し、東京商工リサーチによると、銀行114行の2016年9月中間決算の預貸率は前年同期を0.64ポイント低下し調査開始以来、最大の落ち込み幅を記録した。また、預金と貸出金の差額である預貸ギャップも、同じく最大の246兆円に拡大した。

 

銀行114行の2016年9月中間単独決算ベースの預貸率は、67.34%(前年同期67.98%)で前年同期を0.64ポイント下回った。2011年以降の9月中間決算での預貸率は、2011年が68.54%、12年68.35%、13年67.99%、14年67.90%と推移し、15年が67.98%に上昇した。しかし、16年はマイナス金利の導入で注目されていたが、調査を開始した2011年以降で最大の落ち込み幅になった。

 これは銀行114行の2016年9月中間決算の総預金残高(譲渡性預金を含む)が753兆6,364億2,100万円(前年同期比1.8%増)だったのに対し、総貸出金残高は507兆5,135億8,500万円(同0.9%増)にとどまり、総預金残高の伸びに対し、総貸出金が伸び悩んだことが影響したとしている。

 2016年9月中間決算の「預貸ギャップ」(預金+譲渡性預金-貸出金)は、246兆1,228億3,600万円に膨らみ、預金の貸出金に対する大幅超過が続いている。「預貸ギャップ」の拡大は、マイナス金利の導入後も銀行貸出が伸び悩んでいることを意味する。なかでも企業の資金需要は先行きの不透明さから低迷し、銀行貸出は不動産業や医療・福祉、地公体向けの伸びだけが目立つ。

 114行のうち、前年同期より預貸率が上昇したのは81行(構成比71.0%、前年同期71行)で、前年同期より10行増えて全体の7割を占めた。比率上昇では、トップが西京銀行の7.55ポイント上昇(74.73→82.28%)。次いで、東邦銀行6.84ポイント上昇(51.35→58.19%)、福島銀行5.15ポイント上昇(64.18→69.33%)、鹿児島銀行4.99ポイント上昇(75.18→80.17%)の順。

 西京銀行は、2016年度から3カ年の新中期経営計画に沿って、中小企業支援と個人向け営業に特化する方針に取り組み、貸出金を伸ばした。東邦銀行は事業性貸出・個人ローン・公共貸出等をそろって順調に伸ばした。

 一方、前年同期より預貸率が低下したのは33行(構成比28.9%)だった。預貸率の低下では、三菱東京UFJ銀行の5.42ポイント低下(62.81→57.39%)を筆頭に、豊和銀行2.87ポイント低下(79.03→76.16%)、福邦銀行2.76ポイント低下(75.02→72.26%)、みずほ銀行2.69ポイント低下(64.99→62.30%)など、大手銀行が上位に入っている。

 業態別の預貸率をみると、地銀64行が72.80%(前年同期71.36%、前年同期比1.44ポイント上昇)、第二地銀41行が74.40%(同73.24%、同1.16ポイント上昇)だった。これに対し、大手銀行9行は62.93%(同65.11%、同2.18ポイント低下)と前年同期を下回った。

 地銀64行のうち預貸率が前年同期より上昇したのは49行(構成比76.5%)、低下が15行(同23.4%)で、預貸率の上昇行が約8割にのぼった。第二地銀41行では、上昇が28行(同68.2%)、低下が13行(同31.7%)で、第二地銀も預貸率の上昇行が約7割を占めた。

 一方で、大手銀行9行は上昇が4行、低下が5行で預貸率の低下行が過半数を占めた。大手銀行の2016年9月中間決算での総貸出金は前年同期より1.5%減少し、貸出金を増やした地銀(3.9%増)、第二地銀(3.3%増)と比べて対照的な動きをみせた。(編集担当:慶尾六郎)

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