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NYの視点:市場も年3回の米利上げを予想、FOMC予想に一致
*07:36JST NYの視点:市場も年3回の米利上げを予想、FOMC予想に一致
米連邦準備制度理事会(FRB)は1月31日から2月1日にかけて2日間にわたり連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。前回12月の会合で過去10年間で2回目の利上げを実施後、FOMCは金融政策を現行に据え置くと見られている。市場は次の利上げが早くて3月と予想している。今回のFOMCではイエレンFRB議長の会見や四半期予測公表の予定はない。このため、年内の利上げ軌道を探るには声明に注目が集まる。声明で次回3月での利上げが示唆されるかどうかに焦点が集まる。
米国の経済専門局であるCNBCがFOMC直前に実施したエコノミストやマネーマネジャーといった41人の市場関係者を対象にした世論調査によると、エコノミストの98%は今回の会合で金融政策の据え置きを予想している。次回の利上げ時期に関する見方は分かれた。回答者の43%が6月と予想している。しかし、半分以上が6月より前にFOMCが追加利上げに踏み切ると予想している。早くて3月。2017年の利上げ回数は3回を予想している。11月調査では1.97回、12月は2.50回。長期にわたり、FOMCと市場の見通しにはかい離が見られたが、ここにきてようやく市場とFOMCの見通しがほぼ一致した。一部の関係者はさらに、FOMCが年内にもバランスシートの削減を開始すると見ている。
調査ではまた、エコノミストらがトランプ政権の経済政策を楽観視していることが明らかになった。一方、経済の回復における最大の脅威では全体の回答者の51%が保護主義を挙げた。12月調査時点から2倍に膨れ上がったほか、調査開始以来で最高。「アメリカ第1主義」を掲げるトランプ米大統領は、特に製造業をよみがえらせ、国内の雇用を守る方針を示している。このため、米国がドル高政策を放棄するとの見方も強まりつつある。このため、金利先高感や景気回復期待もドル高に直接つながりにくくなっている。
◎市場調査(CNBC)
■国内総生産(GDP)見通し
2017年2.5%(トランプ政策寄与度+0.24%)、2018年2.8%(+0.39%)
■トランプ政策の影響
全般的成長:押し上げ(82%)、雇用:押し上げ(66%)、財政赤字拡大
(98%)、インフレ上昇(93%)、株高(79%)、債券利回り:上昇(100%)
■米国経済が12か月以内に景気後退に陥る確率
18.5%
■経済の回復における最大の脅威
1.保護主義51%、2.世界経済の弱さ44%、3.財政の壁41%、4.欧州金融危機37%
■FOMCの次回の利上げ時期
3月35%、4月8%、5月10%、6月43%
■2017年の利上げ回数
1月2.78回(11月調査1.97回、12月2.50回)《SK》
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