【中国】農村汚水処理率22%のみ、家庭1.6億戸で「垂れ流し」

2017年1月29日 07:45

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記事提供元:フィスコ


*07:45JST 【中国】農村汚水処理率22%のみ、家庭1.6億戸で「垂れ流し」
汚水処理率の低さが中国農村部で問題視されている。年々上昇しつつあるものの、2016年の汚水処理率はわずか22%に過ぎない。家庭約1億6000万戸相当の廃水が未処理のまま放出されているのが現状という。中国政府系メディアが20日に伝えた。

ゴミの処理率が農村部で60%に達する一方、汚水処理の歩みは緩慢。都市部に近い農村は、専用パイプ経由で都市に送られて処理される。人口の多い農村部でも、大型施設の整備を通じた有効な処理が可能だ。

ただ、複数の制約もある。エリアが広範な農村部では、収集の難易度が高い。都市部と比べて建設コストも大きいのが現状だ。また、養豚農家が多い農村部では、処理施設の能力を超えた汚水が発生。能力の不足する事態に陥っている。さらには、需要と供給のミスマッチも深刻な問題。必要な能力を超過した大規模施設を整備した農村部では、ランニングコストが大きすぎて運転休止に追い込まれる事態が報告された。設備は遊休化し、「巨額の浪費」と化す例も多い。

今後に関しては、政策的に処理率の向上が進む可能性がある。中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁は2016年8月、「統一的な規範で国家生態・文明試験区を設立するための意見」を発表。2016~19年にかけて、農村生活汚水の処理を進める政策を打ち出した。


【亜州IR】《SK》

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