新興市場見通し:新興市場も決算発表が本格化、イベント通過後の見直しに備え

2016年11月5日 15:11

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記事提供元:フィスコ


*15:11JST 新興市場見通し:新興市場も決算発表が本格化、イベント通過後の見直しに備え
先週の新興市場は、米大統領選挙を巡る不透明感から株式市場全体にリスク回避ムードが広がるなか、マザーズ指数、日経ジャスダックともに下落した。特にこのところ売買低調だったマザーズ銘柄の下げが目立った。主力銘柄では5-6月高値の信用期日が迫るうえ、直近安値や支持線を割り込む銘柄が相次ぎ、処分売りの流れが加速した。なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.1%であったのに対して、マザーズ指数は-6.8%、日経ジャスダック平均は-1.6%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.4%安となったほか、そーせいグループ<4565>が同12.5%安、サイバーダイン<7779>が同11.0%安と大きく下げた。その他売買代金上位もブランジスタ<6176>、エナリス<6079>、アイモバイル<6535>など全般軟調だった。また、決算を受けて売られたベガコーポレーション<3542>やアイティメディア<2148>、直近IPO銘柄のチェンジ<3962>が週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、売買代金上位ではブランジスタ<6176>や串カツ田中<3547>が逆行高となり、クックパッド<2193>前社長による株式取得が材料視されたオウチーノ<6084>は連日のストップ高比例配分となった。ジャスダック主力もセプテーニ・HD<4293>が同10.4%安、平田機工<6258>が同17.8%安と全般軟調だった。売買代金上位ではフューチャーベンチャーキャピタル<8462>、ジェイテック<2479>、アエリア<3758>などが利益確定売りに押された。また、エヌジェイHD<9421>やエージーピー<9377>、第2四半期決算を受けて売られた極楽湯<2340>が週間のジャスダック下落率上位だった。反面、太洋物産<9941>、ピクセルカンパニーズ<2743>、白鳩<3192>などは大きく上昇した。IPOでは、11月1日上場のバロックジャパンリミテッド<3548>が公開価格を下回る初値となった。名証2部上場の岐阜造園<1438>は穏当な初値形成だった。

今週の新興市場では、11月8日に実施される米大統領選挙の結果が判明するまで手控えムードが続きそうだ。結果次第では波乱相場となる可能性もあることには注意する必要があるだろう。一方で新興市場でも主力企業の決算発表が本格化してくる。イベント通過後の見直し局面に備え、業績動向を注視しておきたい。

今週は11月7日にカルナバイオサイエンス<4572>、シグマクシス<6088>、8日にセプテーニ・HD、ヘリオス<4593>、9日にミクシィ、日本マクドナルドHD<2702>、JIG-SAW<3914>、エナリス、シノケングループ<8909>、10日にモブキャスト<3664>、クラウドワークス<3900>、エン・ジャパン<4849>、アトラエ<6194>、フューチャーベンチャーキャピタル、11日にクルーズ<2138>、テックファームHD<3625>、グリーンぺプタイド<4594>、平田機工、フェローテック<6890>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、今週の新規上場予定はない。ただ、先週よりフィル・カンパニー<3267>とWASHハウス<6537>のブックビルディング(BB)期間となっているほか、新たにJMC<5704>、エルテス<3967>、スタジオアタオ<3550>のBBが開始される予定となっている。12月上場案件の発表も本格化しそうだ。なお、先週はイントラスト<7191>(12月7日、マザーズ)、グッドコムアセット<3475>(12月8日、ジャスダック)の新規上場が発表されている。《FA》

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