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IoTなど幅広い分野で応用へ ブロックチェーン技術の国際標準化にむけた取り組み
日本においては、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が経済産業省と連携をとりつつ規格提案、審議文書の検討、関連団体や企業との連携などを進めていく。これ以外でも加工・流通過程の管理に係る専門委員会、組織ガバナンスに係る専門委員会が新規設立された。[写真拡大]
IoT(モノのインターネット)を含む幅広い分野における産業の発展に寄与するとして、ブロックチェーン技術への期待が高まっている。ブロックチェーン技術は、現在は主にビットコイン等暗号通貨の取引を支える技術として活用さている。広範囲での応用に向けた国際的な標準化議論の必要性が出てきたことを受け、国際標準化機構(ISO)において、ブロックチェーンと電子分散台帳技術に関する国際規格を開発する専門委員会等、3件の専門委員会が新規設立された。
日本においては、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が経済産業省と連携をとりつつ規格提案、審議文書の検討、関連団体や企業との連携などを進めていく。これ以外でも加工・流通過程の管理に係る専門委員会、組織ガバナンスに係る専門委員会が新規設立された。
「フィンテックの次」の技術として注目されるブロックチェーン技術は、従来の集中管理型プラットフォームに取って代わる可能性があり、市場だけでなく産業構造へ影響を与えるといわれている。分散型で信頼性の極めて高いシステムの実現により、改ざんが困難なうえ、システムが止まることもない。さらには、銀行のような信頼性を担保するために設置された中央機関が実質不要となること、処理速度の速いコンピューターも必要ないことから、ケースによっては従来の数百分の一という低コストでのシステム運用が可能となる。暗号通貨取引での活用だけでなく、その応用範囲はあらゆる産業分野に及ぶ。たとえば、IoTではプロセスや取引の安定性を担保するために活用が見込まれる。デジタルコンテンツやチケットサービスでは遊休資産ゼロで高効率なシェアリングを実現する。電子クーポンやポイントが信用創造機能を獲得して通貨と同等の扱いが可能になるし、国や地方自治体での届出管理や印鑑文化が代替される。
日本では検証段階の機関が多くほとんど社会実装に至っていなかったブロックチェーン技術だが、最近になってアララが電子マネー分野への適用を表明するなど、普及の兆しが見え始めている。ブロックチェーン技術の国際標準化を通して性能要件を明確化することで、社会実装が加速されることが望まれる。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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