中国は鎖国に近い状況における長期停滞も【世界の金融市場シナリオ分析、中国のヤバイ経済学編(7)】

2016年10月6日 15:09

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記事提供元:フィスコ


*15:09JST 中国は鎖国に近い状況における長期停滞も【世界の金融市場シナリオ分析、中国のヤバイ経済学編(7)】

不定期で配信している【世界の金融市場シナリオ分析】にて、中国についての分析を何回か試みている。過剰な負債と不良債権、多くが中身のうかがい知れない外貨準備などの面において、悲観的な見方が多いことは事実である。

ただし、それが即、経済のハードランディングにつながるとは限らない。通常は過剰な負債からリスク回避の動きにつながり、信用収縮から新たな不良債権の発生という悪循環が続き、海外投資家の資金回収、外貨準備の枯渇にもつながるが、中国は資本主義国家に勝る強権発動が可能。

国内外の資金移動の制限など想定され得るものから、中国国内の外資系資本の接収など常識を越えたシナリオも検討しておく必要がある。いずれにしても、経済のハードランディングを避けられるにしても、鎖国に近い状況における長期停滞を余儀なくされよう。

執筆
フィスコ取締役 中村孝也
フィスコチーフアナリスト 佐藤勝己


【世界の金融市場シナリオ分析】は、フィスコアナリストが世界金融市場の今後を独自の視点から分析、予見する不定期レポートです。今回の中国経済についてのレポートは、フィスコ監修・実業之日本社刊の雑誌「Jマネー FISCO 株・企業報」の次回号(2017年1月刊行予定)の大特集「中国経済と日本市場(仮題)」に掲載予定です。《FA》

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