2016年のノーベル生理学・医学賞、オートファジーのメカニズムを解明した東京工業大学の大隅良典氏が受賞

2016年10月4日 16:15

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 2016年のノーベル生理学・医学賞は、東京工業大学の大隅良典氏が受賞した。授賞理由はオートファジーのメカニズムに関する発見(プレスリリース)。

「自食」とも訳されるオートファジーは、細胞がそれ自体の内容を分解し、再利用する仕組み。細胞がその内容を膜で包んで小胞を作り、リソゾームに送って分解する様子は1960年代に初めて観察され、オートファジーとして知られるようになった。研究の困難さにより、この現象の詳細は知られていなかったが、1990年代に大隅氏が酵母を使用した実験を繰り返してオートファジーにかかわる重要な遺伝子を発見した。大隅氏はさらに研究を進めて酵母におけるオートファジーのメカニズムを解明し、ヒトの細胞でも同様の洗練されたメカニズムが適用できることを示した。

大隅氏の発見は、飢餓への適応や感染への反応といった、さまざまな生理的プロセスにおけるオートファジーの基本的な重要性への理解を深める道を開いた。オートファジーの遺伝子が変異することで疾病が引き起こされ、がんや神経性疾患などにもオートファジーのプロセスが関わっているとのこと。

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