不動産業の多言語対応体制で外国人の生活が変わる

2016年9月22日 12:34

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記事提供元:エコノミックニュース

外国人が日本において賃貸物件を借りることは困難である場合が多い。外国人入居可の物件の少なさや保証人の問題、文化の違いなどから賃貸主にトラブルを心配されることなどが主な理由である。その問題を解決する方法として、不動産会社が多言語対応体制を整えることが急務になっている。

外国人が日本において賃貸物件を借りることは困難である場合が多い。外国人入居可の物件の少なさや保証人の問題、文化の違いなどから賃貸主にトラブルを心配されることなどが主な理由である。その問題を解決する方法として、不動産会社が多言語対応体制を整えることが急務になっている。[写真拡大]

 大東建託<1878>は店頭とインターネットの部屋探しにおいて5カ国後に対応できる体制を整備した。2016年9月1日より全国185店舗でサービスを開始。対応言語は英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語となっている。

 そもそも、日本において外国人が賃貸物件を借りることは簡単なことではない。まず外国人でも賃貸可という物件が非常に少ない。地域によって差があるものではあるが、外国人入居可の物件は10件中3~5件ほどであるという。さらに、その物件に入居するためには賃貸契約書を取り交わす必要がある。これは契約書が読めて、理解することが求められるものだ。難しい日本語が並ぶこの契約書を完全に理解するには相当な日本語力が必要になってくるだろう。さらに保証人の問題や、大家側の意思の疎通、文化の違いに対する不安なども外国人が賃貸物件を借りにくい要因の一つになっているだろう。

 そのような背景の中、大東建託は外国人の賃貸住宅の需要の拡大を見込んで多言語対応サービスを開始した。日本語を話せない外国人が来店、または電話での問い合わせがきてもスムーズに対応できる三者間同時通訳体制の構築。物件の検索サイトを5カ国語対応に変更。さらに賃貸借契約を締結後の外国人入居者には日本の住文化や電気・ガス・水道などのライフラインについての情報をまとめた各言語の冊子を渡すなどのサポートがあるという。三者間同時通訳のコールセンターがあるので、入居後もなにか困ったことがあったときは安心だ。

 在日外国人にとって賃貸物件が借りやすい体制が整うということは、大家側にとっても物件を貸す不安が軽減されるということだ。このような多言語対応体制の整備は外国人入居者だけでなく大家などの賃貸主にとっても嬉しい話になるだろう。2020年に東京オリンピックを控えた現在、外国人への対応として多言語体制を整えることはあらゆる企業に求められている課題の一つである。二者間を取り持つ不動産業のような企業には、特に重要な課題となってくるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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