製品を出荷できないまま業務を停止したIndiegogoプロジェクト、創業者らの私的な浪費が原因か

2016年8月12日 10:49

印刷

記事提供元:スラド

2年前にIndiegogoで多額の資金調達に成功したオートバイ用ハイテクヘルメット「SKULLY AR-1」だが、出資者に製品を出荷できないまま会社は破たん状態にある。SKULLY社で経理を担当していた元従業員が同社や創業者などを相手取った裁判の訴状によると、創業者らは会社の資金を私的に浪費していたようだ(The Next Webの記事訴状: PDF)。

AR-1はリアビューカメラやGPSなどを搭載し、情報をヘッドアップディスプレイに表示可能なオートバイ用のハイテクヘルメットで、Indiegogoのキャンペーンでは目標額の10倍近い2,446,824ドルを調達した。しかし、出荷の延期が繰り返され、8月5日には資金不足により業務を停止することをIndiegogoのキャンペーンページで報告している。同社の資産は担保権を持つ債権者にすべて差し押さえられており、AR-1の出荷や返金は不可能な状態だという。今後、同社は連邦倒産法第7章に基づく清算手続きを行う計画とのこと。

元従業員が提訴した訴訟は不当解雇や賃金未払、名誉棄損などに対する賠償を求める内容だが、訴状によれば業務の一環として創業者らの私的な費用を経費として計上する不正な会計処理を強いられていたという。創業者らによる私的流用の内容としては、個人用の高級車やオートバイ購入費、業務と無関係な旅費、個人の住居として使用していたマンションの賃貸料などが挙げられている。 スラドのコメントを読む | モバイルセクション | モバイル | テクノロジー | 法廷 | スラッシュバック | お金

 関連ストーリー:
耐震基準不適合と老朽化で閉店した百貨店の復活を目指すクラウドファンディングプロジェクト 2016年07月17日
PayPal、6月25日からクラウドファンディングへの支払いを買い手保護制度の対象外に 2016年05月14日
クラウドファンディングで100万ドルを集めたE-Ink採用腕時計開発プロジェクト、破産 2016年05月10日
人工エラ「Triton」、早くも開発中止で返金に 2016年04月06日
Kickstarterで資金調達額歴代2位の「Coolest Cooler」、半数の支援者に製品を届けていない状態で資金不足になる 2016年03月05日
Kickstarterプロジェクト「ZANO」の調査報告書が公開される 2016年01月23日
Kickstarter、プロジェクト「ZANO」に関する調査をジャーナリストに依頼 2015年12月13日
多額の資金を集めた2つのKickstarterプロジェクト、大きな問題に直面する 2015年11月23日
クラウドファンディングサイトIndiegogoが米小売りチェーンBrookstoneと提携、資金調達した製品を市場へ 2015年11月19日
クラウドファンディングで100万ドルを集めたロボットトンボ、「金銭トラブル」で頓挫? 2015年11月11日
米裁判所、Kickstarterで資金を集めながら商品を作れなかったプロジェクトに払い戻しを命じる 2015年09月18日
Kickstarterで資金を集めるも製品を完成させられなかったプロジェクト、FTCによる調停へ 2015年06月15日
Androidやヘッドアップディスプレイを搭載したオートバイ用ハイテクヘルメット 2014年08月18日
著名ゲームデザイナーがKickstarterで資金を募集、調達に成功するもゲームはいまだ完成せず 2013年07月10日
Kickstarterプロジェクトの大半は予定期日までに出荷できない 2012年12月22日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事