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銀行の「国債」残高は7年ぶりに100兆円割れ――東京商工リサーチ
銀行114行の預証率と有価証券残高推移を示すグラフ。(東京商工リサーチの発表資料より)[写真拡大]
東京商工リサーチは、銀行114行「2016年3月期預証率調査」(単独決算ベース)の結果を発表し、預証率は31.0%と4年連続で前年同期を下回り、「国債」残高は7年ぶりに100兆円割れしたことが分かった。
預証率とは、預金残高に対する有価証券残高の比率で、金融機関の資金運用状況を示す指標の一つ。預証率=有価証券÷(預金+譲渡性預金)で算出する。有価証券には国債や地方債が含まれる。
預証率の4年連続での前年割れについて、同リサーチでは「大手銀行を中心に国債残高を減らしていることが挙げられる」とした。国債残高は09年3月期以来の100兆円割れで、約8割の銀行で預証率が低下した。
政府の金融政策により、日銀が13年に2年間でマネタリーベースの量を2倍の270兆円を目標にするなどの「質的・量的金融緩和」を発表。銀行などから積極的に国債を買い入れてきた。さらに14年には、長期国債の買い入れ拡大などの追加金融緩和を決定したことで、大手銀行を中心に国債残高を軒並み減らし、預証率の低下が続いているとみられる。
同リサーチでは「銀行は、日銀の買いオペに応じた国債売却や預金などで流入した資金を現金預け金の形で積み上げており、預証率の低下が必ずしも貸出金の増加につながっていないことがうかがえる。マイナス金利政策が実施されているなかで、今後の預証率と銀行貸出の推移が注目される」としている。
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