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中期5カ年経営計画を取り下げ、バーバリー後継ブランド不振で―三陽商会2016年度中間決算
三陽商会は、バーバリーライセンス事業の終了に伴い2014年に発表した「中期5カ年経営計画」を取り下げると発表した。2015秋冬に立ち上げた後継ブランドの初年度実績が計画を大幅に下回るなど、2016年度中間決算での業績不振を受けたもの。今後は、経営改革委員会を設置し、事業構造の抜本的改革と、成長戦略策定に乗り出す。
2016年12月期連結中間決算(1~6月)は、売上高が前年同期比38.3%減の341億4,000万円、営業損失が58億1,200万円、経常損失が57億6,300万円、純損失が54億8,800万円となった。「バーバリー ロンドン」が2015年6月にライセンス契約を終了し、後継ブランドとして2015年秋冬に立ち上げた「マッキントッシュ ロンドン」「ブルーレーベル/ブラックレーベル・クレストブリッジ」の販売が振るわなかったうえ、全販路の7割近くを占める既存百貨店ブランドの売り上げも、前年の96%にとどまった。「バーバリー ロンドン」終了に伴う前年の駆け込み需要の反動減もあったと見られるが、杉浦昌彦社長は、「新規の2ブランドの売り上げが、計画値を大幅に下回ったことが大きな要因。消費者にブランドが浸透していなかった」と分析。「1~6月における百貨店の景況感の悪さもアゲンストになった」と話した。
下期は、希望退職制度の実施をはじめとする事業構造の見直しや、不採算事業の撤退(2016年上期1・下期3、2017年上期5ブランド)、EC事業の拡大などに注力する。後継ブランドについても、「ロケーション、販売力、商品力と同時に重要なのがプライス。この4項目を併せてしっかり取り組みたい」(杉浦社長)。通期業績予想は、店頭における販売苦戦に加え、繰上税金資金の取り崩し、希望退職者募集に伴う費用などを計上し、売上高が前年同期比28.1%減の700億円、営業損失68億円、経常損失66億円、純損失95億円とそれぞれ下方修正した。
2017年度の黒字化、2018年度売上高1300億円などを掲げた「中期5カ年経営計画」の取り下げに伴い、杉浦社長を委員長とし、7部門からなる「経営改革委員会」を設置。10月末までに2017年を起点とした新再建計画を発表する。「三陽商会の歴史における返還期。白紙に戻し、役員と従業員が一枚岩になれる施策を立てる」(杉浦社長)。
▼EC・通販売り上げは2ケタ増
EC売り上げは前年同期比30%増の22億3,000万円だった。2015年下期にシステムの入れ替えを行った効果や、自社ECへの新規ブランド導入などがプラス要因となった。下期は、自社ECの機能拡充によるオムニチャネル化推進、他社ECとのデータ連携による在庫一元化、EC事業を全社的に進めるための人材確保、体制整備などを実施。通期は同29%増の42億3,000万円を計画している。
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