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15年の農業IT化の市場はおよそ165億円―20年にはクラウドサービスが本格化し732億円強の市場に
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、農業IT化の現状と将来展望に関する調査を実施し、このほど、その結果をまとめた。[写真拡大]
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、農業IT化の現状と将来展望に関する調査を実施し、このほど、その結果をまとめた。
2016年以降の農業IT化市場は、当面実証試験のものが多いが、2年後の2018年には施設園芸・植物工場、測位衛星の整備、精密農業が立ち上がり、本格運用の段階に入ると予想している。2015年の農業IT化の市場は、およそ165億円。2020年はクラウドサービスが本格化し、732億円強の市場と予測した。
TPPへの参加表明による農産物の自由化、6次産業化推進による強い農業の推進、生産から加工・流通の農業情報創成・流通促進戦略等による基盤づくりなどが促進要因である。2017年後半に準天頂衛星システムが整備され、位置情報など精密農業のインフラ基盤が整備される。農業分野ではITスキルの弱さが課題とされていたが、今では、スマートフォン・タブレット端末などは当たり前のITツールとなっているとしている。
また、農業分野のIT化の進展は息の長いものとなる。「アーリーマジョリティ層(市場の3割強の層)」への普及には5~7年の時間を要すだろうとのベンダの声もあるという。現在、先進的導入者であるイノベーターは3~5%、これがアーリーアダプター層(13~15%)に達すれば、先進的導入者に追随するマジョリティ層(34%)に達し、農業IT 化市場の開花期となるとしている。
通常、ITの投資額は売上高の数%と言われている。海外企業では、ITへの投資額は売上げの3~5%となっている。製造業と非製造業の違いや、農業分野のIT環境の未整備等を考慮し、農業分野でのIT投資額としては、農業・食品関連産業市場規模の3%程度とみている。
2015年時の農業クラウドの市場規模は45億~46億円規模と見られている。今後、ベンダのサービスメニュー・Webアプリ等の拡充、コストパフォーマンスの改善などで、2016年は倍に増え、急速に導入が進むと予想される2018年に250億~270億円規模を形成、2020年には全市場の48%、350億円規模まで拡大すると予測している。
以前も、農業分野でのIT 活用はあったが、小規模農家(法人)には導入コストや操作性の点で難しい面があったという。現在は、通信インフラが整備され、入力しやすいスマホやタブレット端末も普及してきた。安価で繊細な情報をセンシングできるモニタリング機器、作業現場や農地でも手軽に扱えるようになった。
また、「利用した分だけ払う」というクラウドサービスは、コスト負担を抑えることができることから、今後は、個人農場にも広がっていくと思われるとしている。農業生産性の向上に向けたクラウドサービスの提供事業者が増え、サービスが浸透してきた。2012・13 年頃までは、大手ベンダ(富士通、NEC、日立ソリューションズ、アグリコンパス)がメインで、サービスも地図ベースでの圃場管理・生産履歴・営農支援など限定的な利用であったが、この1~2 年様々なベンダが農産物の生産・流通に重点を置いたサービスを浸透させてきている。サービスメニューが多様化し、選択肢が増えることは農業IT 化市場を活性化させ、市場規模の成長になるとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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