オリックス、米国で住宅金融会社を買収―賃貸住宅向け金融の事業を強化

2016年7月11日 15:08

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オリックスが買収した米国の金融会社ボストン・ファイナンシャル・インベストメント・マネジメントのWebサイト。

オリックスが買収した米国の金融会社ボストン・ファイナンシャル・インベストメント・マネジメントのWebサイト。[写真拡大]

 オリックスは11日、米法人オリックスUSA(ORIX USA Corporation)を通じて、米国の金融会社ボストン・ファイナンシャル・インベストメント・マネジメント(Boston Financial Investment Management L.P)の株式100%を取得したと発表した。買収によって、米国の賃貸住宅向けファイナンス市場での事業基盤を強化するという。

 同社によると、ボストン社は「LIHTC(Low Income Housing Tax Credit)」と呼ばれる、低所得者向け賃貸住宅供給開発業者に付与される税額控除の権利を対象とするファンドを組成し、投資家向けに販売している。この分野で米国最大手で、これまでに100億ドル(約1兆円)以上の資金でファンドを組成し、2,200以上のアフォーダブル・ハウジング施設(所得者層が居住可能な住居)への投資実績を持つという。2015年末現在の預かり資産管理残高は約78億ドル(約7,900億円)。

 オリックスUSAは2010年5月に住宅開発会社向けのローン組成とローン債権の証券化によるサービシング事業を手掛けるレッド・キャピタル・グループ(RED Capital Group)を買収しており、今回買収したボストン社と相乗効果を発揮するとしている。また、今後も米国でアセットマネジメント(資産管理)機能の拡大を図り、手数料ビジネスを中心としたユニークなビジネスモデルを構築していくとしている。

 LIHTCは、1986年に制定された低所得者用住宅税額控除。民間事業者が低所得者向け賃貸住宅の新設・改修を行う際の投資に対して10年間の税額控除を与える。事業者は税額控除を投資家に販売することで民間資金を調達することができる。

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