Twitter、Facebook‐ソーシャルメディア活用が鍵を握るCSRコミュニケーション

2016年6月18日 19:34

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記事提供元:biblion

 【連載第4回】CSRデジタルコミュニケーションの基礎を解説する本連載。今回のテーマは「ソーシャルメディア」です。CSR情報をソーシャルメディアを使って発信していくことの有効性、また、ソーシャルメディアによるCSR情報発信時のポイントやメリット、デメリットについて語ってもらいました。

Twitter、Facebook‐ソーシャルメディア活用が鍵を握るCSRコミュニケーション

記事のポイント

 この連載記事は書籍『CSRデジタルコミュニケーション入門(著:安藤 光展, 猪又 陽一, 江田 健二)』の著者である江田健二さんのお話をもとにお届けしています。

●スマートフォンの普及拡大に伴い、ソーシャルメディア利用者は6割以上に。

●ソーシャルメディアでは簡単にライブ感のある情報を発信でき、届いた後の拡散も期待。

●ターゲットユーザー層を特定し、マーケティングに利用できる。

●他の情報に紛れてしまわないように、視覚的に読者の目をつかむ努力が必要。


 *『CSRデジタルコミュニケーション入門(著:安藤 光展, 猪又 陽一, 江田 健二)』
http://g10book.jp/book/info/release/csrbook

前回までの記事はコチラ

●連載第1回:わかってはいるけれど・・・なかなか手が回らない!?CSR担当者の本音

http://biblion.jp/articles/BUa7G

●連載第2回:押さえておくべき「CSRウェブでの情報発信、4つのポイント」

http://biblion.jp/articles/9KWfP

●連載第3回:魅力的なCSRウェブはこう作る。基本ポイント再チェック!

http://biblion.jp/articles/W4Mu3

ソーシャルメディアで情報を発信しよう!

ソーシャルメディアの普及状況

 今回は、近年急激に普及が進んでいるソーシャルメディアの活用についてお話しします。
 ソーシャルメディアとは、TwitterやFacebookを始めとした双方向型の情報発信ツールを指します。第3回までの記事で述べたような方法でサイトを充実させたら、ソーシャルメディアを使ってさらに効果的に情報を発信していきましょう。

 ソーシャルメディアの利用者は今やわが国の人口の60~65%を占めていると言われており、この割合はさらに大きくなり続けています。この利用者拡大の理由はスマートフォンやタブレットの普及に関係しています。ソーシャルメディアはスマートフォンやタブレットとの親和性が高いため、これらのデバイスの普及とともにソーシャルメディアの利用が広がっているのです。

 スマートフォンの国内普及率は、平成22年末には約10%だったものが平成26年末には約64%になっています(【図1】参照)。さらに、スマートフォン保有者の中でもソーシャルメディアの利用者の割合が大きくなってきていることにも注目する必要があります。スマートフォン利用者に占めるソーシャルメディア利用者の割合は、平成24年には77.7%でしたが、平成26年には91.6%まで伸びています(【図2】参照)。つまり、スマートフォンを利用している人のほとんどが、何かしらのソーシャルメディアを利用しているということです。
【図1】主な情報通信端末の世帯保有率の推移(%)

【図1】主な情報通信端末の世帯保有率の推移(%)

【図2】スマートフォン利用者に占めるソーシャルメディア利用者の(%)

【図2】スマートフォン利用者に占めるソーシャルメディア利用者の(%)

ソーシャルメディア利用のメリットとデメリット

メリット:容易に更新でき、画面の向こうのユーザーが見える

 ソーシャルメディアを利用するメリットとして、掲載、情報更新作業の簡易さがあります。例えば、TwitterもFacebookも、情報が表示される画面の形式(テンプレート)が決まっているので、文章作成と写真やイラストなどの画像を挿入するだけで掲載が完了します。情報発信の作業が簡単なので、情報更新に対するハードルが低いという特徴があります。

 また、さまざまな情報とともに更新内容が時系列で掲載されるので、受け手にとっては「今、現在の活動状況を受信している」という、ライブ感ある情報として届きます。そして、受け手側がその情報がすばらしいと思えば、「シェア」、「リツイート」、「いいね!」という形で他のTwitterやFacebook利用者に情報拡散をしてくれます。

 実名制のソーシャルメディアの場合は、「いいね」を押してくれた個人名、プロフィール等がわかりますので、自社の情報に対して関心の高い(反応してくれる)ユーザー層を特定することにも役立ちますし、ターゲットユーザーを設定する場合の参考情報にもなります。【図3】【図3】Facebook画面イメージ

【図3】Facebook画面イメージ

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エコモ博士のエコらいふナビ

エコモ博士のエコらいふナビエコモ博士のエコらいふナビ - エコのことは何でも知っている『エコモ博士』による、環境関連のニュース、環境認証サービス「GSL」に関する情報をお伝えするページです。

デメリット:情報が埋もれやすい

 ソーシャルメディア利用のデメリットとしては、掲載の安易さと裏腹に、すべての情報が同じ形式でフラットに伝わるため、他の情報にまぎれてしまう、ということがあります。
 ウェブサイトページは、ページデザインを始め、画像やフォントを作り込むことで、自社らしさを表現し、視覚的に訴える効果が得られます。また、CSR活動の取り組みを「アーカイブ」という形で残しておくこともできます。「こんな活動をずっと続けてきているんだな」という、信頼感を得ることにつながるでしょう。

 一方、ソーシャルメディアではすべての情報は均一に揃えて流されるため、ウェブサイトのように作り込む良さがなかなか伝わりにくいツール(メディア)です。そのため、ソーシャルメディアでは、伝えたい情報に即した「キャッチコピー」を考え、読者の目をつかむ努力が必要となってきます。また、他の人が発信した情報とともにどんどん更新され、古い情報は後ろへと流れるので、自社のCSR活動についてアーカイブをさかのぼってまで見てくれる読者は稀かもしれません。

 こうしたメリットとデメリットを踏まえ、CSR情報のウェブサイトの更新情報のみをソーシャルメディアに掲載する企業もあります。苦労して作り込んだCSR情報のウェブサイトなのに、更新したことがそのページを見にきた人にしかわからないのでは、もったいないので、「更新しましたよ!」ということをソーシャルメディアで発信する作戦です。

 次回は、企業が具体的にどうソーシャルメディアを活用していけばいいのかを、実際のソーシャルメディア活用事例を挙げてご紹介します。

 (次回に続く)

この記事の話し手:江田健二さん

この記事の話し手:江田健二さんRAUL株式会社 代表取締役。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社の顧客管理プロジェクト/会計システムリニューアルプロジェクト、大手化学メーカーの業績管理プロジェクト/物流システム改革プロジェクト等に参画。同社で経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年にRAUL株式会社を設立。「環境・エネルギー×デジタルテクノロジー」をキーワードに、環境・エネルギービジネスの推進や企業のCSR活動を支援している。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員も務める。
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