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【どうみるこの相場】日経平均の行方、2月安値に対する二番底形成の可能性
■日経平均は2月安値に対する二番底形成の可能性、懸念材料山積で上値は限定的
<Q>日経平均が大きく下げてきたが、まず、チャートはどうか。
<A>14日(火)現在では、今週は週足(週末値)で3週連続の下げとなっている。16日の日銀金融政策会合で追加の金融量的緩和が出れば今週末に反発の可能性は残っているが、このままだと今年3度目の3週連続安は避けられない。週足のチャートの形は、今年1月29日の1万7518円に対し4月22日の1万7572円でダブル天井をつけたとみるべきだろう。この裏返しで今後は2月12日の1万4952円(週末値)に対しダブル底を形成することになるかどうかがチャートでのポイントといえる。
<Q>日本の量的緩和のほかアメリカの利上げ問題、イギリスの国民投票もあるが、相場への影響はどうか。
<Å>日銀が追加緩和に踏み切れば日経平均は下げていたので反発となるだろう。一方、アメリカの6月利上げが延期に決まったとしてもNYダウは先取りしてきたので大きく上値を伸ばすようには思えない。6月利上げが延期された場合は、次の利上げのタイミングがNYダウの頭を押さえるだろうし、利上げ延期に対し、アメリカ景気は強くないようだ、といった見方も出るだろう。23日のイギリスの国民投票で仮にEU残留が決まればしばらく世界のマーケットは反発し落ち着くだろう。しかし、世界のマーケットの元気を長続きさせることは難しいように思える。
<Q>なぜか。
<A>まず、イギリスのEU離脱が決まった場合は、EU経済混乱→貿易取引の多い中国経済への影響→東南アジアなどの新興国経済に影響→NYダウ、日経平均へ影響、が予想される。次に、残留が決まった場合でも、今回、イギリスで国民投票が持ち上がった背景が今後も続く可能性がある。つまり、「難民問題」と、ギリシャなど「債務国問題」だ。これらの問題は今後も尾を引く問題であり経済波乱の火種として欧州に残るからだ。11月にはアメリカで新しい大統領が決まるということもマーケット、とくに、日本の市場には不確定要素だ。
<Q>トランプ候補が有力視されているということか。
<A>そうだ。民主党のクリントン候補に決まれば世界の枠組みは大きく変わることはないだろうが、トランプ候補が大統領になった場合は少なくとも今のままということはないだろう。自国を最優先するという、「アメリカ第一主義」を唱えているわけだから保護主義が強まる心配がある。イギリスでも同じように他国のことより自国中心主義が強まり、ひいては世界全体に広まる心配がある。これまで、グローバル化を前提に経済活動してきた世界の骨組みが根底から変わる心配がある。とくに、日本には保護主義の台頭することは厳しい、内需だけでは日本は食べて行けないし、安全保障問題、食糧問題も絡んでくる。
<Q>こうした問題があっても日経平均は二番底をつけるのか。
<A>二番底になると思われる。ただし、来年まで見据えた二番底ということではない。アメリカ大統領選挙はまだ5カ月先であり、それまでの間の底入れとみておくのがよいだろう。先行き不安を抱えているのだから長期投資家は慎重となるだろうから日経平均の上値も大きくないように思われる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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