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新興市場見通し:下に振らされやすく警戒必要だが「次のそーせい」探る動きも
*15:09JST 新興市場見通し:下に振らされやすく警戒必要だが「次のそーせい」探る動きも
先週の新興市場では、円安進行や財政政策への期待を背景に日経平均が底堅い展開となるなか、マザーズ指数が急落した。前週末のそーせいグループ<4565>など決算発表が一巡し、目先の材料出尽くし感から利益確定売りが広がったほか、売り方の勢いが強まった。週後半にかけてマザーズ指数は反発したが、それまでの下落幅に比べ戻りは限定的だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.0%であったのに対して、マザーズ指数は-10.5%、日経ジャスダック平均は-0.4%だった。
個別では、そーせいグループが週間で24.8%安、JIG-SAW<3914>が同44.3%安、ブランジスタ<6176>が同54.2%安とマザーズ売買代金上位は大きく売られた。その他時価総額上位でもミクシィ<2121>が同4.3%安、サイバーダイン<7779>が同3.1%安と軟調だった。決算を受けて投資評価引き下げが観測された中村超硬<6166>や、元会長らによるインサイダー取引の疑いが報じられたALBERT<3906>、その他従前に賑わいを見せていたグリーンペプタイド<4594>やロックオン<3690>なども大幅安。反面、第1四半期が黒字転換したアライドアーキテクツ<6081>に加え、エクストリーム<6033>、ネットイヤーグループ<3622>などが買われた。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同4.1%安、セリア<2782>が同5.2%安と軟調だったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同12.5%高、エン・ジャパン<4849>が同15.9%高となった。その他、ジャスダックでは債務超過基準に係る監理銘柄(確認中)に指定されたイーター電機工業<6891>、利益確定売りに押されたアスコット<3264>、第1四半期決算がネガティブ視されたフォーサイド<2330>などが売られた。一方、プロパティエージェント<3464>、構造計画研究所<4748>、メイコー<6787>が大きく上昇した。
今週の新興市場では、引き続きマザーズ主力銘柄を中心として下に振らされる動きを警戒する必要があるだろう。前週のマザーズ指数急落で個人投資家のマインド悪化や投資余力の低下が懸念されている。他方で、根強い期待から押し目買いも入っているほか、小型テーマ株物色やマザーズ市況悪化の影響が少なかった銘柄の見直し、さらに「次のそーせいグループ」を探る動きなどが見られ、全体水準を下支えする可能性がある。
個別では、ブランジスタが5月27日、作詞家の秋元康氏がプロデュースするゲーム「神の手」の詳細発表と機関投資家向け説明会開催を予定している。株価は前週、上場来高値の4割弱の水準まで急落したが、同タイトルの発表を前に期待再燃で切り返しを見せるか注目されよう。また、米本社の発表した「スマートGジャン」がメディアでも取り上げられているリーバイ・ストラウス ジャパン<9836>のほか、根強い人気のある自動運転や越境EC、AR/VR関連等のテーマ株の動向も注視しておきたい。
IPO関連では、AWS HD<3937>(6月21日、マザーズ)、ストライク<6196>(6月22日、マザーズ)、ジェイリース<7187>(6月22日、マザーズ)、バーチャレクス・コンサルティング<6193>(6月23日、マザーズ)、ソラスト<6197>(6月29日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。6月IPO件数は計9社となっている。また、コーヒー店チェーン運営のコメダが6月下旬にも上場すると報じられている。《FA》
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