配偶者手当は働き方に中立的となるよう見直し望まれる―厚労省・検討会

2016年4月12日 11:25

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記事提供元:エコノミックニュース

 女性の活躍を促すため配偶者手当の在り方を見直すとして安倍政権が取り組んでいる配偶者手当の在り方で、厚生労働省は検討会の報告書を11日、公表した。厚労省は「報告書を踏まえ、労使に対し、女性の活躍の更なる促進に向けた配偶者手当の在り方の検討を促していく」としている。

 報告書は「配偶者手当は家事・育児に専念する妻と仕事に専念する夫といった性別役割分業が一般的だった高度経済成長期に日本的雇用慣行と相まって定着してきた制度」とし「社会の実情が大きく変化している中、税制・社会保障制度とともに就業調整の要因になっている」とした。

 そのうえで「パートタイム労働で働く配偶者の就業調整につながる配偶者手当(配偶者の収入要件がある配偶者手当)は配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる」と結論づけた。

 この考えの下、報告書は「労使において、経済の好循環の継続に向けた政労使の取り組み(平成26年12月16日合意)に基づき、個々の企業の実情(共働き、単身者の増加、生涯未婚率の上昇等、企業内の従業員構成の変化、企業を取り巻く環境の変化等)も踏まえ、真摯な話し合いを進めることが期待される」としている。

 その場合に「従業員の納得性を高める取り組みや労使の丁寧な話し合いと合意、賃金原資総額の維持、必要な経過措置、決定後の新制度についての丁寧な説明」などに留意しながら取り組むことが求められるとしている。

 また報告書は実際に配偶者手当の見直しを実施・検討した企業からの助言も紹介。制度見直しのプロセスでは(1)本社人事担当者は各職場の人事担当者、労働組合担当者等との密なコミュニケーションを図ること。

 (2)労働組合のある企業は早めに協議を行い、制度を一緒に作り上げていくことが重要(3)労働組合の幹部へ説明を行ったうえで、労働組合が組合員の声を収集し、管理職への説明を行うなど、対象者への丁寧な説明と段階を踏んだプロセスが重要。

 (4)コスト削減施策といった誤った印象を持たれないよう留意することが必要(報告書が賃金原資総額の維持を入れているのは、それを担保するものといえよう)(5)質疑応答の場を作る等、会社から一方的に制度変更を押し付けないようにすることが必要としている。

 制度導入後についても「引き続き制度趣旨の浸透を図り、新たに挙げられた課題について議論・見直しを行うことも重要」と紹介している。(編集担当:森高龍二)

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