新興市場見通し:マザーズ指数は13年5月高値更新を視野に、エディアがIPO

2016年4月9日 15:07

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記事提供元:フィスコ


*15:07JST 新興市場見通し:マザーズ指数は13年5月高値更新を視野に、エディアがIPO
先週の新興市場では、マザーズ指数が荒い値動きながら週間で大きく上昇した。円高進行などから市場全体に不透明感が強まり、日経平均が節目の16000円を割り込んだ週前半には、新興市場でもリスク回避の動きが広がり、マザーズ指数は25日線割れ水準まで急落した。ただ、週後半には主力のそーせいグループ<4565>が急伸したほか、バイオ株を中心に他の銘柄にも物色が波及しマザーズ指数は強い切り返しを見せた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.1%であったのに対して、マザーズ指数は+5.1%、日経ジャスダック平均は-1.8%だった。

個別では、そーせいグループが週間で32.1%高と大きく上昇した。英子会社と製薬大手の提携を発表しており、これに伴い前期業績を下方修正しているものの好材料視された。アンジェスMG<4563>、メドレックス<4586>、ジーエヌアイグループ<2160>など他のバイオ株にも物色が向かった。その他マザーズ主力は、ミクシィ<2121>が同7.0%安、サイバーダイン<7779>が同1.6%高とまちまち。また、ロゼッタ<6182>、エクストリーム<6033>などが買われる一方、MRT<6034>、Aiming<3911>などが下落した。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同13.5%安、イリソ電子工業<6908>が同10.2%安と下げが目立った。テイツー<7610>は出資先の「VR THEATER」開始が材料視され急伸したほか、日本エマージェンシーアシスタンス<6063>、日本アイ・エス・ケイ<7986>などの上昇が目立った。反面、フジタコーポレーション<3370>、テイン<7217>などが売られた。IPOでは、4月5日にハイアス・アンド・カンパニー<6192>がマザーズへ、8日に丸八HD<3504>が名証2部へそれぞれ新規上場した。ハイアス・アンド・カンパニーは小型案件として人気化し、公開価格の約2.9倍となる高い初値を付けた。また、丸八HDも知名度の高さなどから公開価格を上回るしっかりした初値形成となった。

今週の新興市場は、マザーズ指数のしっかりとした動きが続くことが想定される。マザーズ指数は前週末に13年5月以来となる高値水準を付けたが、同月高値(1083.24pt)更新も視野に入ってくるだろう。主力大型株は円高進行などで先行きへの不透明感が強まっているが、中小型株はそーせいグループの株価上昇により成長期待が続くとみられる。

今週は4月11日にドーン<2303>、プロパスト<3236>、13日にケイブ<3760>、14日にアクロディア<3823>、テラスカイ<3915>、メタップス<6172>、ロゼッタ<6182>、テイツー<7610>、15日にレイ<4317>などが決算発表を予定している。12-2月期決算発表が続くほか、今月下旬からは1-3月期決算発表シーズンを迎えることから、徐々に業績動向にも注目が集まりそうだ。ドーン、プロパスト、ロゼッタなどはテーマ性に加え、足元の業績好調でも注目度が高い。また、第3四半期までに通期の利益計画をほぼ達成しているレイなども業績期待が高まりそうだ。

IPO関連では、4月15日にエディア<3935>がマザーズへ新規上場する。ベンチャーキャピタル保有株が多いことが需給面の懸念材料だが、根強い人気のあるゲーム・コンテンツ関連の小型案件として堅調な初値形成となりそうだ。ゲーム関連銘柄には業績の振れが大きいとのイメージもあるが、同社は比較的堅実志向ながら業績が拡大している点が注目されよう。《FA》

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