【コラム】安保法制廃止・政権奪還、試される民進の本気度

2016年4月9日 17:00

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記事提供元:エコノミックニュース

衆院選挙北海道5区と京都3区の補欠選挙は、夏の参院選挙やダブル選挙の可能性も含めた国政選挙の前哨戦として、安保法制賛成派、反対派の両方が注目する選挙になる

衆院選挙北海道5区と京都3区の補欠選挙は、夏の参院選挙やダブル選挙の可能性も含めた国政選挙の前哨戦として、安保法制賛成派、反対派の両方が注目する選挙になる[写真拡大]

 民進党の岡田克也代表は集団的自衛権の行使を含む安保法制について「憲法違反のものが、時間が経てば憲法に合致するというものではない。憲法違反は憲法違反。安保法制の廃止、(一昨年の集団的自衛権の行使を認めた憲法9条の解釈変更の閣議決定)撤回を強く求めていかなければならない」と3日のNHK番組で強く語った。

 この言葉の本気度を図る上でも、衆院選挙北海道5区と京都3区の補欠選挙は、夏の参院選挙やダブル選挙の可能性も含めた国政選挙の前哨戦として、安保法制賛成派、反対派の両方が注目する選挙になる。

 岡田代表が憲法違反の安保法制を廃止し、前提となった閣議決定の撤回をはじめ、安倍政権下で壊された立憲主義、民主主義を取り戻すと国民に支持を求めるなら、民進党の京都3区にみられる様な、共産党の協力を地元が受けない了見は本部が関与すべき案件だろう。

 この選挙は地域の選挙ではなく、安保法制や立憲主義をテーマにした「国政レベル」の選択の選挙の視点で対処することが、安保法制賛成派との対抗軸を鮮明にし、反対派の声を集約する受け皿になる。

 安保法制を巡って、かつて自民党幹事長を務めた生活の党の小沢一郎代表が、日本共産党の志位和夫委員長と同じ目的(安保法制廃止、立憲主義の回復)のために、共闘するなど、誰が想像できただろう。小異を捨て大同につく決意を要する重要案件ということを示している。

 小沢代表は「民進党周辺から共産党の協力はいらない、衆院選については協議をしない、社民党もちょっとだめ、生活とはやっていけないというような話ばかり出てくる」と野党結束を乱す言動が民進党から生じることを強く懸念する。こうしたことへの対応は岡田代表の責務といえよう。

 岡田代表は街頭演説で「国際的な問題に自らも武力行使する国になるのか、武力行使せず、あくまでも話し合いで解決していく国になるのか。是非、一人ひとり良く考えて頂きたい」と日本が今、最大の分岐点に立っていることを訴えている。その危機感と重要性を痛感するなら、野党第1党リーダーとして政権奪還に向け、統率力を発揮することが必要。小沢代表は「何が何でも、格好が悪くても、遮二無二に政権を取りにいこうという気迫」が民進党に求められていると後押しする。民進党の本気度が試されている。(編集担当:森高龍二)

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