【忠田公夫の経済&マーケット展望】NYダウに対し弱さ目立つ日経平均、求められる日本の強力な景気対策

2016年4月4日 09:53

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 4月1日に発表された日銀短観の内容は、想定以上に悪いものだった。大企業製造業は16年度の為替レートを117円46銭に想定したうえで、経常1.9%の減益を予想しているが、現実はこれを5円余り下回る円高で推移しているだけに、今月下旬から明らかになる今3月期の利益見通しがかなり厳しいものになるとの懸念から、日経平均は先週末594円安の1万6164円で終わった。

 一方、NYダウは週末発表された3月の雇用統計が順調だったことで、107ドル高の1万7792ドルと堅調に引けた。前回3月7日付けの当欄で「2月10~11日のイエレ ン議長の議会証言におけるグローバル経済とマーケットに対する正しい認識(追加利上げに慎重な考え方)」について触れ たが、このFRBに対する市場の信頼が、NYダウの2月11日のザラ場安値1万5503ドルから2300ドル近い大幅な上昇をもたらした背景と言えよう。

 この2月11日のNYダウの反騰を原動力として、日本株や他の世界の株式市場も一斉に戻りを試す相場に入ったのである。NYダウはすでに200日線をブレイク、週足では52週線も突破している。ところが、日経平均は3月14日のザラ場1万7291円が戻り高値となり、75日線すら抜いていない。(200日線は現在1万8589円)。底打ち後の反発力がNYダウと比較して鈍いのは明白だ。

 日本株が本格的に出直るためには、景況感が好転し企業業績の先行きに明るさが出てこないと難しい。そのためには、強力な財政金融政策が求められよう。5月下旬の伊勢志摩サミットに向け、世界経済の減速を打開すべく、とくに財政出動で日米欧の協調を図ることができるか、に注目している。(アナリスト・証券ジャーナリスト)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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