新興市場見通し:個人のマインド改善なども支援に、マザーズ指数は1000pt回復視野に

2016年3月26日 16:39

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記事提供元:フィスコ


*16:39JST 新興市場見通し:個人のマインド改善なども支援に、マザーズ指数は1000pt回復視野に

先週の新興市場は、週末こそ利益確定の動きが優勢となったものの、日経平均の上昇にも支えられて堅調な推移を続けた。東証1部市場の売買代金が細るなか、短期資金が新興市場の成長株やテーマ株などにシフトする動きもみられた。マザーズ市場の売買代金は比較的高水準をキープする状況ともなっている。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.7%であったのに対して、マザーズ指数は+2.1%、日経ジャスダック平均は+1.3%だった。

マザーズ主力銘柄では、ミクシィ<2121>が週間で2.5%安、そーせいグループ<4565>が同4.3%安、サイバーダイン<7779>が同1.4%高と上値の重い動きだったが、東証1部への市場変更を発表したタカラバイオ<4974>が同18.6%高と急伸、ジグソー<3914>も値幅取りの動きが活発化して同29.9%高となった。ほか、サイバーセキュリティ関連への物色が継続でFFRI<3692>は同19.6%高、開発中のゲームへの期待感が根強くブランジスタ<6176>も同38.3%高。前週にIPOのアカツキ<3932>も主力ゲームの好調推移で同28.0%高になっている。ジャスダック主力銘柄では、新興市場売買代金トップのフィスコ<3807>は小幅反落となったが、アナリストの評価引き上げの動きが観測されたハーモニック<6324>は同5.8%高、エン・ジャパン<4849>も同13.4%高と強い動きに。サン電子<6736>は同36.7%高と急騰、子会社がスマホのロック機能解除でFBIに協力と報じられたことが材料視された。ザイン<6769>は中国大手のスマート電気自動車開発計画に核心メーカーとして採用されたことで同27.0%高に。ほかでは、卑弥呼<9892>がTOB価格さや寄せの動きで同2.3倍、MRT<6034>は4月の「ポケットドクター」サービス開始に向け強い値動きに。一方、直近IPO銘柄であるフェニックスバイオ<6190>、昭栄薬品<3537>などは利食い売りに押された。なお、先週IPOのチエル<3933>は、公開価格の約2.7倍となる初値をつけて、その後も堅調推移。

今週の新興市場は、引き続きしっかりとした展開になりそうだ。週末にかけて国内外で重要イベントが予定されていることから、東証1部の主力大型株には買い手控えムードが強まると見られ、外部環境に左右され難い新興市場銘柄に資金シフトの動きが強まると見られる。信用評価損益率が大幅な改善傾向にあるなど、個人投資家の投資マインドが改善していることも新興市場には追い風となる。マザーズ指数は2015年7月以来となる1000pt回復を視界に入れた動きとなろう。

タカラバイオに続いて、そーせいグループが今秋にも東証1部への市場変更を申請する方針と伝わっている。新興市場の時価総額上位銘柄への見直しやバイオ関連銘柄に関心を向かわせる可能性もあろう。保育や自動運転関連などの政策期待銘柄、IPOラッシュ一巡による直近IPO銘柄などにも関心が高まろう。夢の街<2484>、USEN<4842>などは決算発表を予定。東証1部銘柄でも小売り株の決算発表が相次ぐため、新興市場でも小売りセクターやインバウンド関連に関心が向かう余地もある。

IPO関連では、3月31日にエボラブルアジア<6191>、PR TIMES<3922>がそれぞれマザーズに新規上場する。とりわけ、PR TIMESはニュースワイヤービジネスに対する関心の高さなどから人気化が想定されている。《NO》

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