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32インチ大画面 地下鉄にパネルタッチの多言語発券機
訪日外国人の数は増える一方で、2015年は前年の1.5倍にあたる1973万人を記録した。観光地に行ってもデパートや大型電器店に行っても、外国人の姿を見ないことはない。通訳ボランティアや標識などでは外国人への配慮が進んできたが、意外なところで“おもてなし”が進んでいなかった。自動販売機だ。
東京都交通局と東京メトロでは25日から、東京になじみのない外国人でもわかりやすく地下鉄のチケットを買える券売機の実証実験を始めた。都営地下鉄とメトロの乗り継ぎなど操作が複雑な自動券売機を改良し、従来のユーザーインターフェイスを刷新した。外国人観光客が多数訪れる東京都庁のおひざ元である都営地下鉄都庁前駅に1台が設置された。3月までの試行運用中に意見を集めてさらなる開発の参考とするという。
新インターフェイスはデザイン性と操作性の改善を図り、シンプルさと分かりやすさを追究した。これにより、運賃表を確認しなくても、券売機画面の操作だけ地下鉄の乗車券を購入できる。
日本語、中国語、英語に対応し、操作画面は32インチの高精細ディスプレイ(従来型は15インチ)で、「駅名で探す」「路線図で探す」「観光スポットで探す」という3つの方法を選べる。
駅名では、予測変換により駅名を提示する。「観光スポットで探す」では、外国人観光客の多い浅草や東京スカイツリーなどの観光スポットから選択できるようになっている。目的駅までの乗車経路を表示し、さらに到着駅から目的の観光スポットまでの概略図を表示する“おもてなし”ぶりだ。
自動販売機というと飲料を思い浮かべるが、各社ともに外国語表示を進めている中で、アサヒグループは今月から最新の音声認識技術を活用した「対話型自動販売機」の実証実験を開始した。2月までの予定で、人気観光スポットの東京・浅草の雷門近くに「対話型自動販売機」を1台設置した。
英語による日常会話のような感覚で詳細な商品情報を提供することで、商品に対する理解を促進するという。企業としても利用者の行動データを蓄積・分析することで訪日外国人のニーズを検証し、購買促進の施策につなげる。さらに、スマートフォンの通信に必要なSIMカードを扱う多言語自動販売機も空港を中心に設置が始まっている。
体の不自由な人や高齢者への対応から始まったバリアフリーの発想が外国人を巻き込んだ自動販売機まで進展してきた。さて、彼らの反応はいかに。(編集担当:城西泰)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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