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16年の景気で「回復」を見込む企業は11.3% 懸念材料は「中国経済」
12月8日に発表された7-9月期の実質GDP成長率2次速報は前期(4~6 月期)比 0.3%増、年率換算で1.0%増となり、2四半期ぶりにプラス成長となった[写真拡大]
12月8日に発表された7-9月期の実質GDP成長率2次速報は前期(4~6 月期)比 0.3%増、年率換算で1.0%増となり、2四半期ぶりにプラス成長となった。また、住宅着工戸数や有効求人倍率も改善が続くなど改善傾向を示す指標がある一方、ここにきて公共投資や個人消費にやや足踏み傾向がみられ、業種や地域で景況感の格差が表れている。そこで、帝国データバンクは、2015年の景気動向および2016年の景気見通しに対する企業の見解について調査を実施した。
まず、2015年の景気動向について尋ねたところ、「回復」局面であったと回答した企業は7.5%となり、2014年の景気動向とほぼ同水準となった。他方、「踊り場」局面とした企業は54.8%で、2006年(53.5%)以来9年ぶりに5割を超えた。さらに「悪化」局面とした企業は19.9%となり、2014年実績から9.0ポイント減少した。
また、2016年の景気は、「回復」局面を迎えると見込む企業(11.3%)が2015 年見通しから2.1ポイント減少した。また、「悪化」局面になると見込む企業が 2015年見通しより減少した一方、「踊り場」局面を見込む企業は4.0ポイント増加した。
規模別でみると、「悪化」と見通す企業の割合は「小規模企業」が「大企業」より9.8ポイント高く、規模の小さい企業ほど厳しい見通しを示していることが浮き彫りとなった。業界別では、『小売』が「悪化」と見通す企業の割合が3割を超え、「回復」より20ポイント以上高くなっており、個人消費関連の業種で特に厳しく見込んでいる様子がうかがえるとしている。
2016年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を尋ねたところ、「中国経済」が 46.4%で最も高かった。「中国経済」は前回調査から33.3ポイント増加しており、中国の景気減速による影響を懸念する企業が企業規模や業界を問わず広がっていることが浮き彫りとなった。逆に、前回2位だった「原油・素材価格(上昇)」は前回調査から23.0ポイント減の24.7%、前回1位だった「為替(円安)」は同31.1 ポイント減の19.5%となっており、景気の懸念材料はこの1年で大きく様変わりした。
また、「消費税制」は37.7%で2位、「人手不足」は25.6%で3位となっており、景気を左右する重要項目として上位にあげられた。
そして、今後、景気が回復するために必要な政策を尋ねたところ、「個人消費拡大策」が42.6%で前回調査に続いて4割を超え、4年連続で最多となった。次いで「所得の増加」「法人向け減税」「個人向け減税」「年金問題の解決(将来不安の解消)」が3割を上回った。実質賃金の伸び悩みが続くなか、今後の景気回復には個人消費の拡大とともに、企業の競争力向上として法人税など法人向けの減税策が重要な課題であると捉えていることが明らかとなったとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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