慢性歯周炎は、気象変化の1〜3日後に急性化しやすいことを発見―岡山大・森田学氏ら

2015年12月9日 21:21

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 岡山大学の森田学教授・竹内倫子助教らの研究グループは、慢性歯周炎が急性化するのは気象変化後1~3日であることを、突き止めた。

 40歳以上の日本人における歯周病罹患率は8割を超えているといわれており、歯の喪失原因の約4割を占めている。そして慢性歯周炎は、何らかの原因で急性化し、歯の周囲の組織破壊が急速に進むことが知られている。

 今回の研究では、岡山大学病院予防歯科を受診している「安定期にある慢性歯周炎患者」延べ2万人を調査し、慢性歯周炎の急性期の発生と気象状態との関連を分析した。特に、慢性歯周炎の急性期症状を発症した症例(発症率1.87%)の中で歯科関連の要因が発症要因とは考えにくいケースに注目したところ、「気圧低下の毎時変化が大きい」「気温上昇の毎時変化が大きい」といった気象変化があった日の1~3日後に急性期症状を発生しやすいことを明らかにした。

 そのメカニズムは不明なものの、気圧や気温の変化がホルモン分泌や循環器系に影響し、慢性歯周炎の急性期の発生に関与した可能性が考えられるという。

 今後は、さらなる研究を重ねることにより、慢性歯周炎の急性期の発生予報ができるようになることが期待されている。

 なお、この内容は「International journal of environmental research and public health」に掲載された。論文タイトルは、「Relationship between Acute Phase of Chronic Periodontitis and Meteorological Factors in the Maintenance Phase of Periodontal Treatment: A Pilot Study」。

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