iOS 9のリモート脱獄報奨金プログラム、1チームが100万ドルを獲得

2015年11月6日 17:59

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記事提供元:スラド

headless 曰く、  Zerodiumが実施していたiOS 9の脆弱性発見に対する報奨金プログラムで、1チームが100万ドルを受賞したそうだ(ZerodiumのツイートMotherboardBetaNewsGuardian)。

 未公表の脆弱性を用い、WebページまたはSMS/MMSを通じて任意のアプリを最高の特権レベルでインストール(つまりリモートからの脱獄)を可能にしたチームに報奨金を出すというもので、最大3チームに各100万ドル、計300万ドルの報奨金が用意されていた。

 報奨金プログラムには2チームが個別に挑戦していたが、リモートからの脱獄には複数の攻撃方法を組み合わせる必要があり、両チームとも同じハードルを越えられないでいたという。ところが、東部夏時間10月31日午後6時に設定されていた締め切りの数時間前になって1チームが完全に動作する攻撃方法を送ってきたそうだ。

 Zerodiumの創業者 Chaouki Bekrar氏によると、チームはChromeとiOS 9(iOS 9.1および9.2b)のいくつもの脆弱性を発見し、ほぼすべての緩和策を破ってブラウザベースでリモートからの完全な脱獄を達成したとのこと。iOS 9については中国のホワイトハットハッキングチームが脱獄方法を発見しているが、こちらはリモートからの脱獄には対応していない。

 Zerodiumでは脆弱性や脱獄手順を当面公表せず、ゼロデイ攻撃に対する高度な保護を必要とする防衛、テクノロジー、金融関連企業や、特別なサイバーセキュリティー能力を必要とする政府組織などに販売する。Appleに対する脆弱性開示も行わないが、Bekrar氏は数週間か数か月のうちにAppleが脆弱性を修正するとみており、Appleにとってもよい宣伝になったと考えているようだ。

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