関連記事
Nature誌がSTAP細胞を否定する論文を掲載した理由の1つは「ニセ科学」的な治療対策
あるAnonymous Coward 曰く、 先日、Nature誌がSTAP細胞問題をまとめた論文を掲載したことが報じられた(過去記事)。そのときも話題になったが、論文誌が過去に掲載した論文を否定する論文を掲載する例は少ない。また、STAP論文はすでに撤回されていることが周知されているため、あえて否定する論文を掲載する意義は少ない。にも関わらずあえてSTAP細胞の存在を否定する論文を掲載したのは、「科学的根拠に乏しい幹細胞治療」に対し釘を刺すためであるとの指摘がされている(JBPress)。
Nature誌に掲載された論文の著者の1人であるカナダ・トロントの小児病院研究所のジャネット・ロサン氏は、過去に幹細胞研究と社会との関係にある課題として「科学的根拠に乏しい幹細胞治療の蔓延」と「市民の過剰な期待を招くような過大な宣伝」の2つを挙げていた。STAP細胞は発見当時非常に大きく報道され、過大に持ち上げられていた。そのため、現時点でもまだSTAP細胞の存在を信じているような人はいるかもしれない。そういった人に向けた「怪しげな幹細胞治療」にSTAP細胞という名前が使われる可能性はある。
そのため、論文誌でその存在をきっちりと否定しておくことが必要となる、と記事では否定論文の意義を説明している。
スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス
関連ストーリー:
ハーバード大などによるSTAP細胞再現実験、試行133回で成功ゼロ。検証論文がNatureに掲載 2015年09月25日
理研、「STAP細胞論文に関する調査結果」を公開 2014年12月26日
理研調査委員会、「STAP細胞とされたものは別の万能細胞だった」との報告書をまとめる 2014年12月25日
Science誌が選ぶ「今年の大失敗」 2014年12月24日
※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク