権利譲渡によって一晩で50倍以上値上がりした薬

2015年9月26日 10:32

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 抗マラリア剤などとして処方されるほか、エイズなどで免疫力が低下している患者にも処方される「Daraprim」という薬が、たった一晩で50倍以上値上がりしたという話がNew York Timesにて取り上げられている。

 この薬は1953年には開発されており、その特許は切れているのだが、需要が少ないため米国ではいわゆる「ジェネリック医薬品」としては製造されていないという。今年8月、この薬に関する権利をTuring Pharmaceuticalsという、ヘッジファンドマネージャによって設立された企業が購入したのだが、その後同社は1錠あたり13.5ドルだったこの薬の価格を750ドルに値上げしたそうだ。

 近年、この薬に限らず、米国では薬価の値上げが問題になっているそうで、新薬だけでなくジェネリック品が利用できるような古い薬にまでも値上げが及んでいるという。

 なお、この薬剤は日本では「スルファドキシン」という名称で発売されているようだ。

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