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季節の変化と共に相場の転機近づく、アベノミクス総仕上げ相場へ=犬丸正寛の相場展望
早い秋の訪れと共に株式相場も大きい変化を迎えようとしている。もっとも大きい流れは、『安全保障関連法案』から、『アベノミクス総仕上げ』へ、という政策の方向性だろう。一時、心配された安倍総理の健康問題による退陣の見方は、昨今の総理のアベノミクス貫徹という発言や国民の支持率回復から後退し安倍政権は10月の内閣改造後、再び、経済に軸足を移すことが期待できる雰囲気となっている。
当然、その際はGDPがマイナスに転じ景気実感が悪化していることから景気浮揚策が予想される。アベノミクス全体としては、アベノミクス総仕上げとなる、「日本成長戦略」の磨き上げということになるが、足元の景気停滞をみれば第3次金融量的緩和も組み込まれるものとみられる。
過去、2度の量的緩和では日経平均の上昇だけでなく出来高が1日当り50億株前後に盛り上がるなどマーケットは活況となり資産効果で消費に対し効果をもたらした。とくに、足元では消費が冷え込んでいるだけに金融面の刺激による株高が図られるなら景気面への効果は多いい。
日本、中国、韓国の首脳会談開催が決まったことは、安倍政権のブレない外交政策の効果であり国民の評価も高まっているはず。緊張緩和の道筋のついたことからも安倍政権は外交から国内経済に全力で取り組むことができる。この点を相場的に軽視してはいけない。『国策に逆らうな』という局面を迎えつつある。
今年4~6月のGDPマイナス、アベノミクス腰折れ説等から6月以降、信用売り(空売り)が積み上がり、空売り比率は40%前後と過去最高水準に達している。足元では、中国経済悪化をよりどころに売方が売り崩しを狙って攻勢をかけているが、思ったほど下げなくなっている。
こうした、売方と買方の鬩ぎ合いからみれば、日経平均が去る8月26日の場中安値1万7714円をキープできるかどうかが一大ポイントとなるだろう。G20が開催され、中国経済が主要議題となっているようだが、中国は外交面で柔軟さを打ち出し、経済面では先進国とのバックアップ得て経済を軟着陸させる方向とみられる。大国の経済不振だけに油断はできないが、当面、中国発の大型台風は通過したとみていいだろう。
一方、アメリカの「利上げ」が濃厚となっている。筆者はアメリカの利上げは売り材料ではないとみている。なぜなら、今のようなゼロ金利は異常事態であり、いつまでも異常事態を続けるべきではない。ましてや、ゼロ金利政策は、弱体国家の採る政策であり、強いアメリカを掲げるアメリカにとっては屈辱的なことであるからだ。利上げすれば、これまで6年間で急上昇した景気回復と株価上昇は難しくなるだろうが、ノーマルな経済の中で株価も着実な展開が予想される。
過去2度の量的緩和を中心としたアベノミクス政策で、トヨタ自動車など主力企業はROEを高め増配にっ進んだ。このROE上昇を背景とした主力銘柄相場は今年6月まででひとまず終了したように思われる。今後、アベノミクス総仕上げで、ロボット、再生医療など日本の技術を背景とした全員が好況感を享受できる相場へ転換することが予想されそうだ。ここは、アベノミクス総仕上げに期待し、空売りは慎み、好業績のテーマ性を内包する銘柄の投資を考えるときだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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