113番目の元素、命名権めぐって日本と米露が優先権を争う

2015年8月19日 22:51

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、  理化学研究所が発見した113番元素の命名権をめぐって、日本と海外のグループがそれぞれ優先権を主張しているそうだ(日刊工業新聞マイナビニュース)。

 113番元素の研究については、理化学研究所・仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクターらの研究チームが2003年に実験を開始。2004年、2005年、2012年と計3回、この113番目の元素を検出している。この元素を合成し検出できる確率は100兆分の3と非常に難しいとのこと。

 いっぽう、この元素を発見したという報告はロシアからも行われており、国際学会において命名権をどの研究グループに与えるかが議論されていたとのこと。

 113番目の元素が本物であると認められるには、合成後の同元素の崩壊過程において、すでに知られている元素になることを追跡できなければならない。しかし、米ロの研究チームは元素崩壊後に既知の原子核になることを証明できていないという。理研が行った実験ではこの崩壊過程を追跡できているため、命名権の取得に対し日本側に有利なのではないかとみられているようだ。

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