(中国)航空会社の遅延・欠航数が過去最高、世界最悪レベルに

2015年8月12日 10:12

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記事提供元:フィスコ


*10:13JST (中国)航空会社の遅延・欠航数が過去最高、世界最悪レベルに
中国航空会社の遅延・欠航数が過去最悪の水準に達している。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(10日付)によると、2014年の遅延・欠航数は統計が始まった2006年以降で最多を記録した。全体の約3分の1に当たる93万7000便が定時通りに離陸できていないという。米国での統計によれば、中国のフライト遅延率は世界的に見ても最低のレベルにあるようだ。
遅延が多い背景には、航空管制や天候などさまざまな要因がある。うち航空管制については、軍隊の管轄する空域が広いことが大きく影響している。例えば軍事パレードが行われる9月3日の「抗日戦勝70周年記念日」には、北京の空港が3時間閉鎖される予定だ。
こうした遅延・欠航の多発は、中国の空港・航空会社の競争力低下につながりかねない。実際、香港の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が近く、香港~上海のフライト数を減らす方針——との観測も浮上している。航空管制の影響で、香港~上海便は今年5-6月に230便が遅延した。
香港-上海便の利用者によれば、定刻から2~3時間以内に離陸できれば、「比較的時間通り」という状況。香港国際空港の滑走路で、飛行機に乗ったまま5時間待たされたこともある。長時間待たされる心理的、身体的なストレスから、暴力沙汰に発展するケースも少なくないという。

【亜州IR】《ZN》

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