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非人道的武器クラスター爆弾の輸送 否定せず
中谷元防衛大臣は重要影響事態法案や国際平和支援法案成立後の後方支援活動での武器弾薬の輸送について、3日の参院安保特別委員会で日本共産党の井上哲士議員が、法律上、これは運んではならないという規定はないとの国会答弁だったが、その通りかとの質問に「特定の物品の輸送を排除する規定はない」と答え、改めて、何でも運べることになることを明らかにした。
中谷防衛大臣は「輸送実施に際しては、いつ、どこへ、どのような物品を輸送するのか、支援対象国からの具体的な輸送の要請内容に基づいて、活動地域の情勢、自衛隊部隊の運用状況などを踏まえ、輸送を安全に行うことができるかを評価し、個々の輸送の都度、自衛隊として主体的に実施の可否を判断する」と答えた。
井上議員が「非人道的な兵器とされてきたクラスター爆弾(小型爆弾や地雷など複数の子弾を搭載した大型の爆弾)の輸送も法律上は排除されないことになる。クラスター爆弾は不発弾により多くの一般市民が紛争終了後にも死傷者を出していることから、非人道的武器としてクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)に日本も批准し発効しているが、米国は条約に入っていない。米国のクラスター爆弾の保有数や使用状況は」と質した。
岸田文雄外務大臣は「クラスター爆弾の保有状況を米国が公表していないため、詳細把握していない」としたうえで「使用状況も詳細把握していないが、米国議会調査局の報告書によると、2001年から2002年にアフガニスタンで、2003年にイラクで、英国とともにクラスター爆弾を使用している。2003年以降は使用していないということだ」と答えた。
岸田外務大臣は「米国は無差別使用には懸念を有している。一方で、軍事的有用性も認識している。このような基本的立場にあると認識している」と答え、米国は軍事的に有用と考えているとの考えを示した。
井上議員は「日本がクラスター爆弾禁止条約に入ることで、在日米軍の施設からクラスター爆弾の撤去を求められるかもしれないと米国が懸念していたと内部告発で伝えていたというが、米国はクラスター爆弾を保有しているし、使用しないとも言っていない。輸送要請があった場合は」と対応を質した。
中谷防衛大臣は「輸送に安全確保がされていることは大前提。そのため、輸送物品がどのようなものかは重要だ。クラスター爆弾は法律上、輸送から排除していないが、クラスター爆弾禁止条約締結国の立場もあり、事態に応じて慎重に判断していくことになる」と、慎重に判断するとしたものの、輸送しないとはしなかった。(編集担当:森高龍二)
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