大学発のベンチャー、内視鏡手術支援ロボットを開発・販売

2015年8月1日 03:43

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内視鏡ホルダーロボット「EMARO(エマロ)」(リバーフィールド発表資料より)

内視鏡ホルダーロボット「EMARO(エマロ)」(リバーフィールド発表資料より)[写真拡大]

  • 内視鏡操作イメージ(左が従来法、右が EMARO を使った操作法)(リバーフィールド発表資料より)

 リバーフィールドは31日、小型・軽量で操作性に優れた内視鏡ホルダーロボット「EMARO(エマロ)」を8月から開発、販売すると発表した。

 リバーフィールドは、東京工業大学と東京医科歯科大学発のベンチャー企業。販売は医療関連製品メーカーのホギメディカルを通じて行われる。

 販売されるのは、東京工業大学の只野耕太郎准教授と東京医科歯科大学の川嶋健嗣教授の空気圧を用いた超精密制御技術に関する研究成果が生かされた世界初の空気圧駆動型手術支援ロボットである。

 近年、外科手術では、開腹手術に代わって低侵襲手術が広く行われ、内視鏡手術が注目されている。内視鏡手術時の内視鏡の操作は、スコピストと呼ばれる助手の医師が執刀医の指示に従って行う必要があるが、執刀医との円滑な意思疎通が求められることや手振れの発生などが問題となることから、内視鏡操作を支援する新たな医療機器の需要が高まっていた。

 既存の内視鏡ホルダーロボットは電動モーター駆動を用いており、柔らかな動きを出すことには不向きだった。今回開発されたロボットは、頭部に取り付けられたジャイロセンサーで、執刀医が、頭を上下・左右に傾けると、その動きを感知して、空気圧で内視鏡を動かす。動く自由度は、内視鏡の抜き差し(前後)、上下、左右、そして回転の4つがあり、頭部の動きと足元のスイッチを組み合わせて制御する。

 執刀医はスコピストを介することなく、望む画像を手ぶれなしに得ることができ、より正確な手術を行うことができるようになる上に、スコピストの役目をEMARO が担うため、医師の不足に悩む中小規模の病院でも内視鏡手術が可能になるという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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