決算発表一巡後は相場持ち上げる材料なくなる、個別物色がいっそう活発に=犬丸正寛の相場展望

2015年7月31日 16:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 来週は、第1四半期(4~6月)の決算発表が後半戦となる。前半ではファナック <6954> が予想外の通期減額で短期売買筋を慌てさせたが、来週は大御所のトヨタ自動車 <7203> が4日(火)に発表を予定している。

 そのトヨタは2016年3月期の1株利益を会社側では715.0円(15年3月期688.0円)、四季報・夏号は756.3円と予想しているが、果たして通期予想は増額となるのか、据え置きとなるのか。まもなくはっきりするが、仮に、確率は低いだろうがファナック型になれば株価は大きく下げるだろうし、増額があったとしても四季報予想ていどだったら失望売りから下げる可能性がありそうだ。

 そして、トヨタの決算が終わり主力どころの決算発表が一巡すれば、決算の他にいったい相場を引上げる材料は何があるだろうか。NYダウが急伸するだろうかといえば金利引上げ、中国経済の先行き不透明感などを抱えているため多くは期待できないだろう。

 国内の政治は安保関連法案につききりで成長戦略や景気対策には力が入っていない。中小企業や地方、個人に好況感が行き渡っていないことが内閣支持率低下の一因にもなっているだけにそろそろ景気に対し目を向けるところに来ているのではなかろうか。もし、さらに支持率低下が続くようなら政権たらい回しの悪夢がよみがえり相場の基調が転換する心配がある。人質問題が解決すれば支持率は一気に回復するだろうが、ほかに支持率回復の有効な策がないだけに経済対策で気合を入れるところに来ている。オリンピックムードも冷えてしまったし、カジノ構想など地方再生も影が薄くなった印象だ。

 短期筋を中心に個別物色買いは続くだろうが、中長期投資は支持率低下で政権が不安定なだけに積極的に買うことはしないだろう。結局、決算発表が一巡すれば手掛かり難から見送りムードが高まりそうである。猛暑、「休むも相場」でよいのではなかろうか。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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