三菱電機とパスコ、ミリ波による航空機から地上への大容量通信に成功

2015年7月22日 15:28

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現状と将来像の模式図(三菱電機の発表資料より)

現状と将来像の模式図(三菱電機の発表資料より)[写真拡大]

  • 航空機を自動追尾するイメージ図(三菱電機の発表資料より)

 三菱電機とパスコは22日、国内で初めて航空機にミリ波(40GHz帯)データリンク装置を搭載し、地上に大容量データを送信する航空機・地上間通信システムの実証実験に成功したと発表した。

 今後、国内における災害時の実用化に向けた本格的な検討に入る。また、4Kや8K など放送素材のデータ容量が増大している放送機関の素材伝送への適用も期待されるという。

 実証はまず、2つの高度(600m、3,000m)を高速(時速約200km)で飛行する航空機から、地上局に対して最大100Mbpsの伝送を行い、大容量通信の実用性を確認した。同時に、実運用時に想定される被災地撮影画像や小型ビデオカメラで撮影した映像を地上に伝送し、地上での再生を確認した。

 次に航空機と地上局の双方に、機械駆動を排除した小型軽量のアンテナを回転させずに電気的な動作のみで、任意の方向にレーダー波を照射したり、任意の方向から来たレーダー波を受信することができるアンテナ方式である2次元APAAを使用し、可搬性や設置性を検証した。これにより、航空機への搭載制約の緩和、地上局の容易な可搬を実証した。

 地上局の装置には、APAAが上空のミリ波電波を高速でサーチし、ミリ波を送信している航空機が通信エリア(地上局位置から高度600m時に半径600m、高度3,000m時に半径3,000mの範囲内)に進入すると瞬時に捕捉し自動追尾する技術を採用した。

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