人間電池でガジェットを動かせ

2015年7月22日 14:05

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 人間の身体は一日あたり2,000~2,500kcalものエネルギーを消費しているが、そのエネルギーの一部を吸い上げすることが可能になれば、バッテリーなしで医療用インプラントやスマートフォンなどの電子機器を動かすことが可能であるという。現在、これを実現するための研究が進んでいる(Ars TechnicaSlashdot)。

 たとえば、哺乳動物の耳には蝸牛内電位(EP)と呼ばれる電圧がかかっている。これは0.1Vと小さいが、補聴器やほかの聴覚インプラントを動かすには十分だ。研究チームは、EPから直接電気エネルギーを抽出する「エネルギー・ハーベスター・チップ」の開発に成功した。このチップは爪サイズの大きさで、生成可能な電力はナノワット規模。ただ、電子インプラントに電力を供給するためにはまだ不十分だという。

 このほかにも、人間の動きから電気を生成する技術も研究されている。こちらは特定の素材が持つ圧電効果を利用する。もっとも進んでいるのは、人間の歩行エネルギーをエラストマー系圧電体を利用して発電するシステムだ。靴の中敷として着用した場合には、ウォーキングにより30個のLEDを点灯するのに十分な電力を生成できる。

 また、内臓からエネルギーを取るシステムも研究されている。臓器に超薄型の圧電材料を取り付けることによって、心臓や肺の拍動からエネルギーを取り出すというもの。動物実験ではペースメーカーを駆動させるマイクロワット規模の電力生成に成功しているという。

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