日本初「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」リニューアルした新潟市美術館で開催

2015年6月30日 15:20

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記事提供元:ファッションプレス

「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」が、2015年7月19日(日)から9月23日(水)までの期間、新潟市美術館で開催。日本で初めてリバプール国立美術館のコレクションを、まとめて紹介する展覧会だ。


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19世紀の西洋美術の中で、象徴主義の先駆となったラファエル前派。グループとしての活動は短かったが、その精神は多くの追随者に引き継がれた。今回の展示は、ラファエル前派が結成されてから後世に引き継がれるまでの時代を4つの章で紹介、約70点の作品が公開される。


第一章「ヴィクトリア朝のロマン主義者たち」では、ラファエル前派のメンバーとして活躍したミレイやロセッティの代表作を中心に紹介する。1840年代に始まった中産階級のうけを狙うような絵画ブームを憂えて、イギリス美術の水準を引き上げようと結成された「ラファエル前派兄弟団」。はじめは自分の眼で見た自然のありのままの姿を描くという信念を持っていた彼らが、次第にその題材を現実からかけ離れたものにしていく、一連の様子をたどる。


続く第二章「古代世界を描いた画家たち」では、1869年以降に影響を強めた、古典的テーマを取り入れた作品を展示。その中心となるのは、巨匠ローレンス・アルマ=タデマらが描き出す、古代ギリシャやローマの要素を盛り込んだ絵画の数々だ。


風景画を生み出した国であるイギリス。第三章には、「戸外の情景」を描いた作品が集う。空気や光など、自然界のあらゆるものを精巧に描こうと試みた作品、そして地方生活を描いた作品。都市よりも田舎の生活に価値があるとされた時代に生まれた、田舎の情景を描く風景画などが多く並ぶ。


第四章「19世紀後期の象徴派たち」で紹介されるのは、ラファエル前派に影響を受けた画家たちによる作品。例えば、エドワード・バーン=ジョーンズが率いた「ラファエル前派第二世代」や、ラファエル前派最大の復興者ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス。一見して、分かりやすいものではなく、鑑賞者が作品を解釈しようと努力することに重きを置いた作品がそろう。そして彼らの影響は、文豪、夏目漱石や青木繋にも及んだと言われている。


会場となる新潟市美術館は、設立30周年を記念しリニューアル。前川國男が手掛けた荘厳な建築空間はそのままに、服部一成のデザインするサインが加わり、格調高さの中にシャープさが垣間見える美術館に生まれ変わった。本展は、そのリニューアルオープンと同時にスタートする、第一回目の展示となる。


【開催情報】

「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」

開催期間:2015年7月19日(日)~9月23日(水)

開催場所:新潟市美術館

住所:新潟市中央区西大畑町5191-9

開館時間:9:30~18:00


【期間中関連イベント】

※参加無料(要観覧券)、要事前予約

■「新潟開港とイギリス」

開催日:7月26日(日)

■「ラファエル前派とヴィクトリア朝社会―芸術・産業・生活」

開催日:8月2日(日)

■「ラファエル前派とロマン主義」

開催日:8月23日(日)

■「物語るイギリス絵画―ホガースからホックニーまで」

開催日:9月6日(日)


【問い合わせ先】

新潟市美術館

TEL:025-223-1622


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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